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産業廃棄物 2021.07.21

「がれき類(コンクリートがら)」と「コンクリートくず」の違いを徹底解説!

廃棄物回収安心第一業者選定産業廃棄物廃棄物

産業廃棄物の「がれき類(コンクリートがら)」は、建設現場などで多く排出されているものの、分類を間違えやすいため注意が必要です。 「がれき類(コンクリートがら)」は発生状況によって分類が異なるだけでなく、名前が似ている「コンクリートくず」と混合されることも多いため、処分する際に分類に悩まれる方も多くいらっしゃいます。 そこでこの記事では「がれき類(コンクリートがら)」の概要や「コンクリートくず」との違い、分類基準などについて徹底解説! 併せて、具体的な判断例もいくつかご紹介します。

1.産業廃棄物における「がれき類(コンクリートがら)」とは

そもそも産業廃棄物における「がれき類(コンクリートがら)」とは、“工作物の新築・改築または除去により生じたコンクリート破片、アスファルト破片、その他これらに類する不要物”を指します。

一般的に、略して「コンがら」と呼ばれることも多いです。

参照:産廃知識 廃棄物の分類と産業廃棄物の種類等(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)

 

全部で20品目ある産業廃棄物の中でも、年間を通して排出量が多い品目として知られています。

環境省が発表したデータによると、令和元年度の「がれき類(コンクリートがら)」の排出量は5,893万トン。

汚泥(1億7,084万トン)、動物のふん尿(8,079万トン)に続き、産業廃棄物の種類のうち3番目に多い排出量となりました。

参照:産業廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度実績)について 

 

また、再生利用率が高いのも特徴的です。

環境省のデータによると、令和元年度に排出された「がれき類」の再生利用率はなんと96%!

産業廃棄物の中でも、トップの再生利用率となりました。

参照:産業廃棄物の排出及び処理状況(令和元年度速報値)

 

そんな「がれき類(コンクリートがら)」の再生利用方法は様々。

主に破砕処理され、建築物の基礎に詰め込まれる“砕石”として使われます。

その他、道路舗装の基礎となる路床の上に敷かれる路盤材として使われたり、コンクリートやアスファルトの原料である骨材として使われたりと、幅広い用途で再利用されています。

 

2.「コンクリートくず」との違いは?分類の基準となるポイント

「がれき類(コンクリートがら)」は分別を間違いやすい品目のため、取り扱う際には注意が必要です。

 

特に気を付けたいのが、同じ産業廃棄物の一つである「コンクリートくず」。

似たような名前ですが、「がれき類(コンクリートがら)」と「コンクリートくず」は別の品目です。

それぞれ定義が異なるため、分類する際には気を付けましょう。

 

2-1.がれき類(コンクリートがら)

前項でもご紹介したように、「がれき類(コンクリートがら)」とは“工作物の新築・改築または除去により生じたコンクリート破片、アスファルト破片、その他これらに類する不要物”を指します。

【例】建物の建設・解体時に発生したレンガやコンクリート、道路改修時に発生したアスファルト…etc

 

「がれき類(コンクリートがら)」と「コンクリートくず」を見分ける上で重要なポイントとなるのは、工作物の新築・改築または除去により生じたかどうか

たとえば同じコンクリート破片やアスファルト破片でも、建設・解体工事以外で生じたものであれば「がれき類(コンクリートがら)」に分類されません。

 

なお「がれき類(コンクリートがら)」は産業廃棄物の20種の品目の内、「がれき類」に該当します。

 

 

2-2.コンクリートくず

「コンクリートくず」とは、建設工事や解体工事以外で発生したコンクリート破片やアスファルトのこと。

【例】建設・解体工事以外で発生したガラス類(板ガラス等)、製品の製造過程等で生ずるコンクリートくず、インターロッキングブロックくず…etc

参照:産廃知識 廃棄物の分類と産業廃棄物の種類等(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)

 

 

なお、産業廃棄物の20種の品目の内 「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」に該当します。

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

コンクリートがらとは?産業廃棄物の「がれき類」と「コンクリートくず」の違いについて

 

3.がれき類の具体的な判断例

「がれき類(コンクリートがら)」は発生状況や廃棄物の種類によって、「鉱さい」などに分類される場合もあります。

 

そこで、最後にこちらの項目では具体的な判断例をいくつかご紹介します。

産業廃棄物の分類に悩んだ際には、ぜひ以下を参考にしてみてください!

 

■製造業者が製造時に排出したコンクリート片の分類 

「ガラス・コンクリート・陶磁器くず」に分類されます。

先述したように、建設・解体による発生や工作物でなければ「がれき類(コンクリートがら)」には該当しません。

 

 

■石材製造業者によって排出された不要な石片の分類

「ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず」に分類されます。

石材製造業は建設現場とも工作物とも関係がないため、「がれき類(コンクリートがら)」とはみなされません。 

 

 

■鉄道の線路に敷いてある砂利を除去する際の分類

「がれき類(コンクリートがら)」に分類されます。

鉄道の線路は工作物に当たるため、砂利は鉄道の線路の一部とみなされます。

 

ただし、同じく線路(軸道)の一部である枕木は、除去する業者によって分類が異なるため要注意。

鉄道業者が除去する場合は一般廃棄物として、解体を請け負った建設業者が除去するのであれば産業廃棄物の「木くず」として分類しなくてはなりません。 

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

産業廃棄物と一般廃棄物の分類がしづらい「木くず(材木系のごみ)」とは

 

 

■採石場にて排出された不要な岩石の分類

「鉱さい」に分類されます。

採石場とは、地表から石や鉱物を抽出する場所で、建設現場ではありません。

また、採石場にて排出された岩石は工作物にも該当しないため、鉱物精錬などの際に排出される不純物は「がれき類(コンクリートがら)」とはみなされません。

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】 

リサイクル率の高い産業廃棄物「鉱さい(鉱滓)」とは?処理・再生利用方法などをご紹介

 

 

■地盤改良工事に伴い生じた、アルカリ性を呈する地盤改良かすの分類

「汚泥」もしくは「廃アルカリ」の混合物に分類されます。

セメントを使用し地盤を補強する“地盤改良工事”は建設現場に該当はしますが、水アルカリ性を呈する地盤改良かすは、産業廃棄物の「汚泥」または「廃アルカリ」として適切に処理しなければいけません。

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

汚泥とはどんなものを指す?汚泥の種類と廃棄方法、業者選びのポイントについて

産業廃棄物の一種「廃アルカリ」とは?廃酸との区別の基準や、処分・リサイクル方法などを解説!

 

4.処理業者選びに要注意!

ご紹介したように「がれき類(コンクリートがら)」は発生状況などにより分類が異なるため、排出する際には十分気を付けましょう。

 

また、再利用率が非常に高い産業廃棄物ですが、長距離輸送に向いてないなどの問題もあります。

中には不法投棄や不適切処理をする悪質な業者もいるため、注意が必要です。

この不法投棄や不適切な方法で処理することは、法律で禁じられている行為です。

発覚すれば違法行為をした処理業者だけでなく、処理を委託した事業者も罰金刑や懲役刑などの罰則が科されます。

そのため、産業廃棄物の処理を委託する際には『費用が安いから…』といった安易な理由ではなく、慎重に業者を選ばなければなりません。

違法行為が発覚したあとに『悪質な業者だとは知らなかった!』では済まされません。

「がれき類(コンクリートがら)」や「コンクリートくず」などを処理する際には、適切にリサイクルできるよう安心・安全な処理業者を選びリスクを減らしましょう!

 

ちなみにリダクションテクノでは「がれき類(コンクリートがら)」や「コンクリートくず」の収集も承っています。

 

『産業廃棄物の処分について悩んでいる』

『コンクリート片など建設廃棄物の取り扱いについて相談したい!』

『がれき類(コンクリートがら)と、コンクリートくずの違いがイマイチよくわからない』

『事業活動に伴い発生したごみを、どういった基準で分類すればいいのかわからず困っている…』

 

上記のように産業廃棄物の処分や、「がれき類」と「コンクリートくず」の廃棄をする際に判断に困っている方は、ぜひリダクションテクノまでご相談ください!

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

“ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず”を廃棄する際の注意点。リサイクル方法もご紹介!

様々な種類がある建設廃棄物。処理する際に気を付けるべきことは?

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