コラム

産業廃棄物 2020.08.06

【建設業者・解体業者必見】建設廃棄物のマニフェストやリスクの回避方法についても詳しく解説!

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建設工事に伴い生じる建設廃棄物。建設廃棄物は通常の産業廃棄物だけでなく、“建設業から排出されるからこそ産業廃棄物として認定されるもの”もあるので、分別や処理方法には注意する必要があります。そこでこの記事では、建設廃棄物の基本的な知識やマニフェストなどについて解説!また、リスクを回避するための方法についてもご紹介します。

1.そもそも建設廃棄物とは?

建設廃棄物とは、建設工事に伴い副次的に得られた建設副産物(建設発生木材、金属くず、アスファルト・コンクリート塊…etc)の内、廃棄物処理法第2条1項に規定する廃棄物に該当するもののこと。工事から排出される“産業廃棄物(汚泥・木くず・廃油etc)”と、現場事務所から排出される“一般廃棄物(生ごみ・新聞etc)”の両方が含まれる概念です。

建設工事の定義は、「建築物・その他の工作物の全部又は一部を解体する工事」と廃棄物処理法第21条の3 第1項にて定められています。具体的にいうと、新築工事・改築工事・解体工事から発生する廃棄物が、建設廃棄物であると法律で定義されています。

しかし、自治体によって見解が異なるケースもあるので注意が必要です。上記で挙げた工事の他、建物に備え付けられている電気器具の交換工事や内装仕上げ工事、塗装工事、原状回復工事など、建設業28業種などの工事から発生する廃棄物も建設廃棄物であると定義されるケースもあります。

法律自体は国で制定されますが、法律の運用や排出事業者・処理業者等への指導、処分などは各自治体に委ねられているので、基本各自治体の見解に従いましょう。

2.「通常の産業廃棄物」と「建設業だからこそ産業廃棄物に該当するもの」の違い

前項にて、建設廃棄物には工事から排出される“産業廃棄物”も含まれると説明しましたが、“産業廃棄物”はさらに「通常の産業廃棄物」と「建設業だからこそ産業廃棄物に該当するもの」の2種類に分類されます。

「通常の産業廃棄物」とは、業種を問わず産業廃棄物として扱われるもののこと。燃え殻や汚泥、廃油、廃酸などが該当します。

「建設業だからこそ産業廃棄物に該当するもの」は、建設業から排出された際に産業廃棄物として認定されるもののこと。廃棄物の中には、排出する業種によっては一般廃棄物ではなく産業廃棄物として取り扱われるものもあります。

(参照:「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の違いとは。特に間違いやすい産廃物の種類も解説)

建設業から排出する場合に産業廃棄物と認定されるのは、木くず・紙くず・繊維くずの3種類。これらは建設業(工作物の新築・改築または除去に伴うものに限る)から排出される場合には、産業廃棄物として処理しなくてはなりません。

しかし、同業種から排出する場合でも、どんな過程で排出されたかによって扱いが異なります。

例えば以下のように、同じ紙くずでも分別方法が異なるので注意が必要です。

・工作物の新築、改築または除去により生じた紙くず⇒建設廃棄物(産業廃棄物)

・事務所内から排出される紙くず(メモ・新聞・雑誌・設計図書等)⇒一般廃棄物

建設廃棄物を排出する際には、以上のことを踏まえた上で廃棄物をキチンと分別しましょう。

3.建設廃棄物用のマニフェストについて

産業廃棄物を処理する際に必要となるマニフェスト。マニフェストに記載する事項は廃棄物の種類により異なるため、建設廃棄物を排出する方向けの専用のマニフェストもあります。 

建設廃棄物専用のマニフェストが通常のマニフェストとどう違うかというと、建設廃棄物の場合は、複数の種類の産業廃棄物が混合・合積みされることが多いので廃棄物の種類により最終処分方法が異なります。そうした特性から標準的な契約書とは異なり、「混合」というチェック欄が設けてあるのが大きな特徴です。

他にも、産業廃棄物に該当する20種類には含まれていない「コンクリートがら」や「アスコンがら」、「廃石膏ボード」という名称もチェック欄に設けられていることや、建設廃棄物としては想定しにくい種類(燃え殻やばいじん等)などが項目として設けられていないのも特徴の一つです。

また、建設廃棄物は積替え保管をすることが少なくありません。そのため、建設廃棄物専用のマニフェストは、積替え保管に対応しやすい様式となっているのです。

4.建設工事における排出事業者は、発注を直接請け負った“元請業者”となる

建設工事の排出事業者は、廃棄物処理法第21条の3 第1項にて、建設工事を発注者から直接請け負った“元請業者”がなるものと定められています。

そのため、“元請業者”は建設廃棄物が発生した際に、自ら処理を行うか、処理業者へ処理を委託する必要があります。

“元請業者”は廃棄物処理法における排出事業者として処理責任を負うこととなるため、建設廃棄物を適正に処理しなければなりません。処理業者(収集運搬業者や処分業者)との書面による委託契約の締結や、マニフェストの交付などを行うことが求められます。

5.リスクを回避する方法。「発注者」と「請負業者」それぞれの有効的な対策をご紹介

冒頭でもご紹介したように、建設廃棄物についての運用などは各自治体に委ねられているので、処理責任があいまいになりがち。また、処理費用が高いこともあり、廃棄物を管理するのが難しいです。

しかし、適した方法で処理しないと罰則対処となってしまうのでキチンと分別・処理しなければなりません。

そこで、最後にこちらの項目では「工事を発注する側」と「工事を請け負う業者側」のリスクを回避する方法をそれぞれご紹介します。リスクを回避するためには、社内にて以下の対策を行うのが有効的です。

5-1.工事を発注する側のリスク回避方法

工事請負契約を締結する

業務委任契約とは別に工事請負契約を締結。その際、工事請負契約の中に“工事を請け負った元請業者は責任をもって排出事業者責任を全うすること”と雛形に記載しておきましょう。

工事竣工時の確認項目に“廃棄物の適正処理”を追加し、確認・記録する

工事の竣工時に、確認項目内に“廃棄物の適正処理”という確認項目を追加し、実際に廃棄物の処理状況について元請業者に確認し、内容を記録しておきましょう。 

5-2.工事を請け負う業者側のリスク回避方法

続いて、工事を請け負う業者側のリスク回避方法についてご紹介します。

自治体の中には、もともとの発注者の所有物である廃棄物の処理まで請負業者に請け負わせているケースもあります。工事を請け負う業者側は、どうしても請負業者と発注者の力関係により、廃棄物の処理をしなければならないということも。

そんなリスクを回避するためには、以下のような対策が有効的です。

工事請負契約を締結する

業務委任契約とは別に工事請負契約を締結。その際、工事請負契約の中に“工事を請け負った元請業者は責任をもって排出事業者責任を全うすること”と雛形に記載しておきましょう。

排出事業者責任を全うする

リスクを回避するためには、排出事業者としての処理責任を全うしましょう。何かトラブルがあった場合には、当然請負業者が責任を問われることになります。そのため、例え自分の廃棄物以外の処理であったとしても、契約・マニフェスト上で排出事業者となった場合には、廃棄物が適正に処理されたかを確認する必要があります。

6.リスクを軽減させるためには、安心・安全な処理業者に依頼しよう!

例えば業者に廃棄物の処理を依頼する際、リスクを軽減するためにはキチンと適した方法で廃棄物を処理している業者に任せることが重要です。

「費用が安いから……」といった理由だけで業者を選んでしまうと、後々トラブルが発生してしまう可能性も考えられます。

処理業者を選ぶ際には、費用面だけでなく、キチンと廃棄物を処理しているかどうかなどサービスの質にも着目しましょう。

産業廃棄物の処理で悩んでいる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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