コラム
産業廃棄物 2021.01.19
廃プラスチック類とは?排出状況や今後向き合うべき課題について解説
環境廃棄物回収ケミカルリサイクルマテリアルリサイクルサーマルリサイクル
この記事では、産業廃棄物の1つである「廃プラスチック類」について解説!具体的にどのような廃棄物が廃プラスチック類と分類されるのかといった基本的なことはもちろん、近年の排出状況や今後向き合うべき課題についても詳しくご紹介します。
1.廃プラスチック類とは
産業廃棄物の1つである「廃プラスチック類」とは、“事業活動に伴い生じた合成樹脂くず、合成ゴム、合成繊維くずなどの固形状および液状の廃プラスチック類”のこと。
主な例を挙げると、食器や食品容器、事務用品、ペットボトルなどを指します。
また、上記の製造過程で生じる破片なども廃プラスチック類に含まれます。
一般的に「廃プラスチック類」は事業活動に伴い生じた場合、産業廃棄物として処分しなくてはなりませんが、自治体によって産業廃棄物として扱うべきか否かが異なりますので、処分する際には各自治体に問い合わせましょう。
2.廃プラスチック類の種類
ひとくちに「廃プラスチック類」といっても様々な種類があります。
その中でも代表的なのは、“PETボトル”、“包装用フィルム”、“廃タイヤを含む合成ゴムくず”などといったもの。飲料用ペットボトルや包装用のラップ、お弁当の容器、ゴム手袋など、私たちの生活にとって身近なものが「廃プラスチック類」に含まれます。
また、固形状・液状のすべての合成高分子系化合物も含まれます。
3.廃プラスチック類の排出状況
「廃プラスチック類」は原則として、資源ゴミ・可燃ゴミ・不燃ゴミに分類されます。
資源ゴミとして分類されたものはリサイクルされ再資源化できますが、可燃ゴミに分類されたものは焼却処分に、不燃ゴミに分類されたものは埋め立てるなどして処理します。
平成30年度における産業廃棄物の全国排出量は、およそ 3億7,577万2,000トン。その中でも、汚泥・動物のふん尿・がれき類が全体の8割を占めます。対して「廃プラスチック類」の排出量割合はわずかに過ぎませんが、平成30年度には年間689万4,000トンが排出されています。また、それらの処理状況は、再生利用量57%、減量化量28%、最終処分量計15%でした。
最終処分の比率でいうと、ゴムくず(36%)、燃え殻(27%)、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず(18%)に次いで、廃プラスチック類(16%)という順に。つまり、廃プラスチック類は産業廃棄物の中では排出量が少なめながら、比較的最終処分率が高いということがわかります。
最終処分とは、主に再利用や再資源化が困難なものを埋め立てる処分方法のこと。しかし、廃棄物を埋め立てられる日本国内の最終処分場は、全国平均であと20年ほどで残余容量が尽きると環境省から発表され問題視されています。
※参照:最終処分場(埋立地)の区分・構造について。世界の最終処分場の事情も解説!
4.プラスチックのリサイクル手法
前項でご紹介したように、日本国内の最終処分場の利用状況はかなり逼迫した状況です。そのため、これからは再資源化が可能な「廃プラスチック類」を、より積極的にリサイクルしていく必要性があります。
そこで、続いてはプラスチックのリサイクル手法についてご紹介します。現在行われている主なリサイクル手法は以下の3つです。
4-1.マテリアルリサイクル
廃プラスチック類の材質を活かし、他の製品の材料としてリサイクルする方法。工程は事業者によって異なりますが、一般的には塩ビボトルや着色ボトルを除去した上で、選別・粉砕等を行いフレーク状やペレット状にして再びプラスチック製品の原料として再生利用されます。
主に、下敷きやバッグ、食品用トレイ、ペットボトルなどにリサイクルされることが多いです。
4-2.ケミカルリサイクル
廃プラスチック類に熱を加えるなどして科学的に処理し、ガスや燃料といった化学原料としてリサイクルする方法。廃プラスチック類を石油に戻す油化処理を行って燃料にしたり、熱で分解しガス化させて一酸化炭素や水素などを生成したりと様々な化学処理方法があります。
4-3.サーマルリサイクル
廃プラスチック類を焼却する際に発生する熱エネルギーを利用する方法。例えば熱エネルギーを発電や温水利用したり、固形燃料化したりと様々な形で有効利用されています。
また、ガス化や油化などの燃料として利用することも“サーマルリサイクル”と呼ばれる場合もあります。
5.循環型社会を形成するために、私たちが今できること
現在進行形で深刻化する環境問題。特に近年ではレジ袋の有料化が開始したり、業界を問わず多数の企業がサステナブルな取り組みを実施したりと、環境保全に向けて各方面で様々な取り組みが拡大しています。
このような環境保全に向けた活動が活発的になった転機の一つに、“中国による廃棄物の輸入規制”が挙げられるでしょう。
これまで中国は、世界中から廃棄物を買い取っていましたが、適正な再資源化が追い付かず環境問題が生じたために輸入が禁止になりました。そのため、日本を含めた各国が、廃棄物の処理先に困るようになってしまったのです。
これから私たちが求められることは、無駄に廃棄物を排出しないことはもちろん、限りある資源を自らの手で再利用・再資源化しいくこと。「循環型社会」の形成のために、積極的にリサイクルを行っていく必要性があります。
例えば、産業廃棄物として排出された廃プラスチック類の処分方法を見直したり、リサイクルできる業者に処分を依頼したりと、私たちにできることはたくさんあります。
現状抱えている環境問題の解決のためにも、これからの未来のためにも、これからはより一層廃棄物のトレーサビリティを高めていきましょう!
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