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産業廃棄物 2020.10.13

混合廃棄物ってどんなごみ?判断基準や分類、処理業者選びの注意点も徹底解説

廃棄物回収価格適正化業者選定産業廃棄物廃棄物

複数の種類が混在し分別が難しい混合廃棄物は、処理方法を悩んでいるという方が多いのではないでしょうか? そんなお悩みを抱えている方々へ向けて、この記事では混合廃棄物の取り扱いや判断基準、分類について徹底解説! 併せて、廃棄物処理業者を選ぶ際の注意点もご紹介します。

 

 

1.混合廃棄物とは?産業廃棄物や一般廃棄物の違いも解説!

私たちは日常生活や事業活動において日々ごみを排出していますが、ひとくちにごみといっても種類は様々。
ごみは素材や発生した状況などによって、大きく“産業廃棄物”と“一般廃棄物”の2種類に分別されます。

まず、産業廃棄物とは事業活動に伴って発生した廃棄物の内、廃棄物処理法で定められた20種類の廃棄物のこと。
その品目は廃棄物処理法によって定められており、燃え殻や汚泥、廃油、廃プラスチック類と様々です。

それに対して、一般廃棄物とは、産業廃棄物の条件を満たしていない廃棄物を指します。
一般廃棄物の処理責任を問われるのは市区町村で、原則的に市区町村内で処理が行われます。

【こちらの記事も合わせてご覧ください】
産業廃棄物の基礎知識。処理方法・マニフェスト・現地確認について徹底解説

 

しかし、全ての廃棄物が汚泥や廃プラスチック類といった品目ごとに排出されるとは限りません。
実際は様々な種類の廃棄物が複雑に混ざり“混合廃棄物(混廃・こんぱい)”として排出されるケースが多くあります。

種類ごとに分けるのが難しいため、処理には注意が必要です。

 

2.混合物の判断基準は?具体的にどんなものが該当する?

前項で解説したように、混合廃棄物は取り扱いに注意しなければなりません。

ですが、現状日本ではどのような廃棄物を混合物として扱えばいいか明確な基準はありません。
中には、行政によって混合物の判断が異なる場合もあります。

しかし、処理委託契約書などに記載する際には、混合廃棄物と一言で済ませるのではなく中身を明確にしましょう。

記載する際は、実際に含まれる産業廃棄物を通常の20種類から抜き出して付記する必要性があります。

例えば建設混合廃棄物の場合は、以下のように記載します。
【例】建設混合廃棄物(木くず、紙くず、繊維くず、廃プラ、金属くず、がれき類、ガラス陶磁器くず)

なお、“油分を含むでい状物”のみ、環境省の通知で基準が定められているため要注意。
油分をおおむね5%以上含むでい状物は“汚泥と廃油の混合物”として、この条件に該当しないものは“汚でい(油分を含む汚でい)”として扱われます。
参照:油分を含むでい状物の取扱いについて

このように混合廃棄物は判断基準が明確に定まっていない反面、油分を含むでい状物は基準が定められているため、取り扱いには気を付けなければなりません。
廃棄物の取り扱いに困った際は、念のため行政に確認してみましょう。

 

3.業者に廃棄物処理を委託する際の注意点

混合廃棄物は業者に処理を委託することができますが、業者選びには注意が必要です。
中には、必要な許可を得ていない業者や、不法投棄を行う悪質な業者もいます。

そこで、この項目では処理業者選びにおける3つの注意点を詳しくご紹介します。
業者選びに悩んでいるという方はぜひ参考にしてみてください。

 

3-1.業者の取得している“処理許可”に要注意

廃棄物は品目ごとに許可が分かれています。
例えば、廃プラスチック類の処理は、廃プラスチック類の処理許可を得ている業者であれば委託できますが、許可を得ていなければ委託できません。

つまり、混合廃棄物を排出する際には、混合している全ての廃棄物の“処理許可”を取得している廃棄物処理業者に委託する必要があります。
無許可の業者に処理を委託すると、法律違反となり罰金や懲役刑を科されるため気を付けましょう。
また、委託した廃棄物の中に許可を得ていない品目が含まれていた場合、受け入れできず返品になるケースも少なくありません。

その他にも、中には業者へ混合廃棄物を持ち込むと、処理料金とは別に選別費用を請求されるケースもあります。
無駄なコストをかけないためには、選別方法から処理まで早い段階で業者に相談することが大切です。

処理委託契約を締結する前には、混合廃棄物に含まれる品目について相談した上で、必ず業者が持っている許可証の写しなどを確認しましょう。

 

3-2.法律に則ってマニフェストを交付してくれるか確認

業者選びの際には、廃棄物処理法で定められたマニフェストを発行できるか確認しておくことも重要です。

マニフェスト(管理票)とは、産業廃棄物を運搬する際に使う産業廃棄物管理票のこと。
産業廃棄物を処理する際には、原則としてマニフェストの交付が義務付けられています。

なお、混合物のマニフェストは一般的には廃棄物の品目ごとに部数を分けず、1つの混合物について1部交付します。
また、単一品目と異なり廃棄物名称や廃棄物分類の欄に何が混合しているか記入しなければなりません。
中身をしっかりと確認の上、含まれている産業廃棄物の品目を具体的に明記しましょう。

【こちらの記事も合わせてご覧ください】
廃棄物処理のマニフェストとは。違反した際の罰則や運用基準などをご紹介!

 

3-3.混在・混合の状態を正しく判断できるかチェック

廃棄物処理業者の中には、“混在・混合”の状態を正しく判断できない業者もいます。

冒頭でも解説したように、自治体によって多少判断は異なりますが、いくつかの種類の産業廃棄物が混合している状態で排出する場合には基本的に混合廃棄物として処理しなくてはなりません。

例えば、プロジェクターには様々な素材のパーツが使われています。

これを廃棄する際には、廃プラスチック類・金属くず・ガラス陶磁器くずの混合廃棄物として扱う必要があります。

ところが、混在・混合の状態を正しく判断できない業者に依頼してしまうと、1種類の産業廃棄物として処理されてしまい廃棄物処理法違反になってしまうこともあります。
産業廃棄物の処理責任を問われるのは、排出事業者です。
業者が間違った方法で処理してしまった場合でも、依頼主である排出事業者も罰金刑や懲役刑に科されるため、業者選びには細心の注意を払いましょう。

 

4.混合廃棄物の分類。正しく仕分ければ、コスト削減にも繋がる!

最後に、混合廃棄物の分類やそれぞれの特徴についてご紹介します。

混合廃棄物には「安定型混合廃棄物」「建設混合廃棄物」「管理型混合廃棄物」の3種類あり、種類によって該当する品目や最終処分場は異なります。

  該当する品目 特徴
安定型混合廃棄物 下記5品目のみで構成される混合廃棄物

 

*廃プラスチック類

*ゴムくず

*金属くず

*ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず

*がれき類

■産業廃棄物の中でも環境へ影響を及ぼす恐れが少ないため、安定型最終処分場に埋め立て処分できる。

 

■少量でも該当品目以外を含む場合は、安定型混合廃棄物に当てはまらない

建設混合廃棄物 建設工事等から発生する、下記の品目が混在している廃棄物

 

*廃プラスチック類

*ゴムくず

*金属くず

*ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず

*がれき

*木くず、紙くず etc.

■安定型産業廃棄物の該当品目だけ含まれる建設混合廃棄物を“安定型建設系混合廃棄物”、安定型産業廃棄物以外の木くずや紙くず等も含まれる建設混合廃棄物を“管理型建設系混合廃棄物”と呼ぶこともある
管理型混合廃棄物 管理型最終処分場のみで埋め立て処分される“管理型産業廃棄物”を含む廃棄物

(具体的には、安定混合廃棄物以外の品目を含む混合廃棄物、もしくは安定混合廃棄物以外の品目のみで構成された混合廃棄物を指す)

■埋め立て処分する際にしみ出した水が自然環境を汚染してしまう恐れがあるため、ゴムシートなどによる遮水工や浸出水処理施設等が設置されている管理型最終処分場で処分しなくてはならない

 

■安定型産業廃棄物の割合が多くても、“管理型産業廃棄物”が含まれていれば管理型混合廃棄物に分類される

ちなみに、国からも事業者は廃棄物の仕分けを積極的に行うよう意向が示されています。
(参照:現場分別マニュアル)

 

正しく区分することは、廃棄物処理法に違反しないだけでなく、コスト削減にも繋がります。
再資源化が可能なものや買い取り可能なものを適切に分ければ、廃棄物処理費用の最適化が可能です。
環境保全のためにも、コスト削減のためにも、混合物を排出する際には意識してみましょう!

 

5.廃棄物処理の他、リダクションテクノではコスト削減のご相談にも対応◎

記事内でもご紹介したように、様々な種類の廃棄物が複雑に混ざり合った状態の混合廃棄物の取り扱いには注意しなければなりません。

混合廃棄物の判断基準は、現状明確には定まっていません。

しかし、混合している全ての廃棄物の処理許可を取得している業者に委託する必要があり、マニフェストの廃棄物名称や廃棄物分類の欄には混合している品目を明記しなければならないなどのルールが設けられています。
後々のリスクを回避するためにも、混合廃棄物を排出する際にはぜひこの記事を参考にしてみてください!

ちなみに、リダクションテクノでは今回この記事でご紹介した混合廃棄物の処理も承っています。
リダクションテクノでは、廃棄物処理に関する幅広いご相談に対応!
廃棄物をただ処理するだけでなく、リサイクルやコスト削減などに関してのご相談にも応じています。
その他にも、仕分けの代行や現場教育も支援が可能です。

『混合廃棄物をどうやって分別・処理すべきか悩んでいる』
『廃棄物処理にかかっているコストを削減したい!』
『産業廃棄物の取り扱いについて相談したい…』

上記のような廃棄物に関するお悩みを抱えている方は、ぜひ一度リダクションテクノまでお問い合わせください!

【こちらの記事も合わせてご覧ください】
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