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産業廃棄物 2022.12.19

覚書に収入印紙は必要?節税や費用負担、貼り忘れに関する注意点も徹底解説

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契約書の内容を変更する際などに交わされる書類“覚書(おぼえがき)”。 これは記載内容によって収入印紙が必要となる場合があり、もしも貼付し忘れてしまうと脱税とみなされることもあるため作成する際には注意しなければなりません。 この記事では、覚書の概要や収入印紙が必要な場合について詳しく解説します。

1.覚書はどのようなときに必要となる書類?

覚書(おぼえがき)とは、当事者同士が合意した契約内容を文書化してまとめた書類のこと。

なにか物事を忘れないように書き残しておくメモをイメージする方も多いかもしれませんが、ビジネスシーンでは双方で取り決めたことを記録として残しておく書類を指します。

 

覚書は、記載する内容に特に定義が設けられているわけではなく、法律上規定されている文書でもありませんが。

しかし、“互いに合意した取り決めを記すための重要な書類”のひとつです。

当事者の間で合意事項が記され、双方の署名・押印があれば契約書と同等の法的効力を持ちます。

 

主に覚書が交わされる場面は次の通りです。

 

■契約する前に、当事者の合意事項を書面として残すとき

■契約を締結した後に、契約条件を決めるとき

■契約を締結した後に、契約書の内容を変更するとき

 

つまり、契約を締結する際に交わす契約書に対して、覚書は契約を結ぶ前後に交わすことができます。

 

2.内容によっては収入印紙が必要になる

内容によっては、収入印紙が必要となるケースがあります。

 

収入印紙とは、経済的な取引に伴い作成した書類に課せられる税金“印紙税”を納める際に利用する証票。

郵便局や法務局、コンビニなどで購入でき、記載された契約金額によって必要となる印紙税額は異なります。

 

 

具体的に、覚書に収入印紙の貼付が必要となるケースは以下の通りです。

 

■文書に記載された契約金額が“1万円以上”の覚書

■作成した覚書が“印紙税法”による、“課税文書”となる場合

※請負契約である場合など20種類が該当。該当文書や印紙税額の詳細は下記の一覧表をご参照ください。

参照:印紙税額の一覧表(第1号文書から第20号文書まで)

 

 

なお、覚書に収入印紙が不要なケースは次の通りです。

 

■記載された契約金額が1万円未満の場合

■非課税文書(覚書の中に金額の記載がない場合)

■電子契約

 

収入印紙が必要ない場合には、印紙代を節税できます。

覚書を交わす際には、収入印紙が必要か否かあらかじめ確認しましょう。

 

3.収入印紙を貼付する際に知っておきたいこと

最後に、覚書に収入印紙を貼付する際に知っておきたい4つの注意点を解説します。

 

3-1.増加額or減少額がわかるように記載すると、印紙代を節税できる

前項にて解説したように、収入印紙は覚書に記載された契約金額に応じて用意しなければなりません。

※必要となる印紙税額は文書の種類により異なります。詳しくは下記をご参照ください。

参照:印紙税額の一覧表(第1号文書から第20号文書まで)

 

しかし契約締結後に契約書の内容を変更する際、契約金額の増減額が分かるように記載すると印紙税を節税できます。

 

【例①】1,000万円の報酬額を1,200万円に増額する場合

増加額が200万円であると明確に分かる記載をすれば、変更後の報酬額(1,200万円)ではなく、“増加額”が覚書の契約金額(200万円)とみなされますので、それに応じた収入印紙を貼付します。

 

【例②】1,200万円の報酬額を1,000万円に減額する場合

契約金額がいくら減少するか明確に分かるよう記載すれば、記載金額なしとみなされます。

 

 

ちなみに増加or減少した金額のみ記載してしまうと、その記載している金額が契約金額とみなされ、その額に応じた収入印紙が必要となってしまうため要注意。

たとえば【例①】の場合、“原契約書に定める報酬額を1,200万円に変更する”と記載してしまうと、原契約が何か特定できず、いくら増加したのかも分からないため、1,200万円が契約金額とみなされます。

契約金額が増加・減少する際は、“元の金額からいくら増加or減少したか”を明確に記載するよう気を付けましょう。

 

 

3-2.収入印紙の費用は基本双方が負担するが、官公庁は例外

一般的に、印紙税法上では連帯納税義務があるため、収入印紙の代金は双方がともに負担します。

負担割合は法律にて定められていないため、当事者間で同意が取れていれば負担割合を自由に決めることが可能です。

 

ただし、官公庁と契約する場合は、民間側が収入印紙の代金を負担します。

国や地方公共団体などは印紙税の課税対象外のため、官公庁側が作った書類はすべて非課税にはなりますが、民間側が作成する書類は課税対象となり負担責任はすべて民間側が負わなければなりません。

 

 

3-3.脱税とみなされるため、収入印紙の貼り忘れには要注意!

覚書の内容が課税文書に該当しているにもかかわらず、収入印紙を貼付しなかった場合には脱税とみなされます。

税務調査を受けた際に収入印紙の貼り忘れが発覚してしまうと、納付すべき印紙税額の3倍に相当する過怠税が徴収される恐れがあるため注意しましょう。

※税務調査を受ける前に自主的に不納付を申し出た場合や、納付漏れを予知していなかった場合には、過怠税が納付すべき印紙税額の1.1倍に軽減が認められるケースもあります。

 

加えて、収入印紙への消印の押し忘れにも要注意。

もし収入印紙に消印を押さなかった場合には、消印のない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収されます。

 

 

3-4.収入印紙の金額を間違えてしまった場合の対処法

「本来の課税金額よりも、大きい金額の収入印紙を覚書に貼ってしまった…」

このような場合には必要な手続きを行い、過誤納だった事実が確認されれば後日申請書に記載した金融機関に還付金が振り込まれます。

課税金額よりも大きい金額の収入印紙を貼付してしまった場合には、税務署で“印紙税過誤納確認申請書”を作成し、収入印紙を貼った文書とともに提出しましょう。

 

反対に、覚書に貼付した収入印紙の金額が不足していた場合には、過怠税が徴収される罰則を受ける対象となります。

 

4.収入印紙の貼り忘れなどには要注意!

冒頭でも解説したように、覚書は法律上規定されているわけではありませんが、契約に関わる重要な書類となります。

また、覚書の内容が印紙税法による“課税文書”となる場合には、収入印紙が必要です。

収入印紙を貼り忘れてしまうと脱税と見なされるケースもあるため、覚書を交わす際には仕組みを理解して適切な手続きを行うよう気を付けましょう。

 

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