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産業廃棄物 2022.01.27

燃え殻とばいじんの違いって?燃え殻の具体例や処分・リサイクル方法などを徹底解説!

廃棄物回収安心第一業者選定産業廃棄物

この記事では、廃棄物を燃やした後に残る“燃え殻”について徹底解説! 産業廃棄物の1つである燃え殻の特徴や、間違われやすい“ばいじん”との違い、燃え殻の具体例、処分・リサイクル方法、燃え殻の廃棄量や最終処分率などもご紹介します。 事業活動に伴い燃え殻を排出している事業者の方や、処分・リサイクル方法に悩んでいる方、ばいじんとの違いを知りたい方は必見です!

1.“燃え殻”と“ばいじん”の違い

そもそも燃え殻とは、廃棄物を燃やした後に残るもののこと(焼却残さ)。

事業活動に伴い排出された場合には産業廃棄物20品目の中の1つに分類されるため、処理する際には法律で定められた正しい方法で取り扱わなければなりません。

 

同じく物を燃やす際には“ばいじん”という産業廃棄物が発生しますが、燃え殻とは全くの別物です。

ばいじんとは、焼却炉の集塵機などで集めたススや粒子状のカス。

燃え殻は物を燃やした際に焼却炉などの底に残る廃棄物のため、それぞれ形状が異なります。

 

つまり、“燃え殻は物を燃やした際に焼却炉などの底に残るもの”、“ばいじんは空中に漂っていた細かい粒子状のカスを集塵機で集めたもの”と覚えておくと良いでしょう。

 

 

2.具体的な分類例

ひとくちに燃え殻といっても、種類は様々。

前項で解説したように、廃棄物を燃やした後に残るものと定義されていますが、幅広い種類があります。

 

燃え殻に分類される廃棄物は、主に以下の通りです。

 

・石炭がら

・焼却炉の残灰

・コークス灰

・重油燃焼灰

・アルミ灰

・下水道焼却灰

・煙道灰

・各種重金属含有焼却灰

・製紙スラッジ焼却灰

・炉清掃排出物

・廃活性済

・その他焼却残さ   …etc

 

ちなみに、廃砂ダストや電気炉ダスト、石炭灰などは、ばいじんに分類されます。

 

 

3.燃え殻の処分方法

続いて、燃え殻の処分方法について解説します。

燃え殻の処理方法は、“最終処分場での埋め立て処理”か“再資源化”のどちらか。

しかし、現在の日本では、一般的に燃え殻は管理型最終処分場にて埋め立て処分されることが多いです。

 

3-1.最終処分場での埋め立て処分

燃え殻の多くは、フレキシブルコンテナなどの容器に収納して管理型最終処分場にて埋め立てられます。

 

管理型最終処分場とは、遮断型最終処分場でしか処分できない産業廃棄物以外のものが埋め立て処分される場所。

動物性残さなどあらゆる品目の廃棄物を扱っている処分場で、有害物質や汚濁物質を流出しないようゴムシートなどによる遮水工と浸出水処理施設等が設置されています。

 

ただし、同じ燃え殻でも、重金属が含まれている場合などは管理型最終処分場での処分ができません。

その際は、燃え殻に安定化の処理(溶融して重金属を取り除いたり、コンクリート固化を施して有害物質を閉じ込めたり…etc)を施した上で遮断型最終処分場にて処分します。

遮断型最終処分場は、重金属や有害な化学物質が基準以上に含まれる有害な産業廃棄物を保管する処分場です。

有害な物質を流出しないよう厳重な構造設置基準がつくられており、保有水の漏出管理も厳重に行われています。

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

最終処分場(埋立地)の区分・構造について。世界の最終処分場の事情も解説!

 

3-2.再資源化(リサイクル)

燃え殻は埋め立て処分だけでなく、再資源化するケースもあります。

主に燃え殻は土木資材や建築資材、路盤材として再資源化することが多いです。

単体で再製品化することは難しいですが、その他にも燃え殻を焼成してセメント原料としても活用されています。

 

 

4.主なリサイクル方法

前項にて燃え殻は再資源化されるケースもあるとご紹介しましたが、主なリサイクル方法は以下の3つです。

 

■溶融処理して、路盤材化する

燃え殻を溶融処理した後にスラグ化すれば、路盤材の材料として再資源化できます。

溶融処理はコンクリート固化と比べて、廃棄物量を減らせるのも魅力です。

 

■焼成して、セメント原料にする

燃え殻を高熱で焼成して、セメント原料として再資源化することも可能です。

廃棄物をセメント原料として活用すれば環境負荷軽減に繋がり、コストも削減できます。

 

■建築資材として活かす

燃え殻は、コンクリートなどの構造物に入れる資材としても活用できます。

また、再生土や地盤改良材として再利用される場合もあります。

 

 

5.燃え殻の廃棄量・最終処分率

最後に、燃え殻の廃棄量や最終処分率などをご紹介します。

 

環境省が令和4年に発表した報告書によると、令和2年度に排出された燃え殻は約2,278千トン!

前年度の排出量(約2,199千トン)よりも増加しています。

燃え殻は令和2年度にの産業廃棄物の内0.6%と割合は低いですが、毎年多く出されていることに変わりありません。

 

ちなみに、燃え殻は産業廃棄物の中でも最終処分の比率が高い廃棄物でもあります。

環境省が令和4年に発表した報告書によると、令和2年度に排出された燃え殻は22.7%が最終処分されました。

同報告書において、産業廃棄物の中でもっとも最終処分率が高かったのは燃え殻。

その他の産業廃棄物の最終慮分率は、ゴムくず18.4%、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず15.9%、廃プラスチック類15.3%、繊維くず15.3%と続く結果となっています。

参照:令和3年度事業産業廃棄物排出・処理状況調査報告書(環境省)

 

ところが、日本国内における最終処分場の利用状況は、年々逼迫しています。

最終処分場などの埋立地には限りがあるため、今後は燃え殻のような最終処分の比率が高い産業廃棄物のリサイクル率向上が求められるでしょう。

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

最終処分場の“残余年数”をご存じですか?日本における最終処分場の現状・問題解決のためにできること

 

 

6.燃え殻など産業廃棄物に関するご相談は、リダクションテクノまで!

冒頭でもご紹介したように、燃え殻はばいじんとの区別がつきにくいため、分別には要注意。

また、他の産業廃棄物と比べて年間排出量は少ないものの、最終処分の比率が高いため今後は最終処分率を下げる方法や再資源化がより注目されていくことでしょう。

 

ちなみに、リダクションテクノでは燃え殻など産業廃棄物の処分に関するご相談にも対応!

廃棄物処理と合わせてリサイクルを行うことにより、環境配慮しながらコスト削減ができるようご提案も可能です。

 

「燃え殻とばいじんの分別に悩んでいる…」

「事業活動に伴い排出した燃え殻を処分したい!」

「産業廃棄物の処分について相談したい」

「コスト削減したいけど具体的にどうすればいいのかわからない」

「企業として環境に配慮したリサイクル活動に取り組みたいと考えている」

 

上記のように廃棄物に関するお悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にリダクションテクノまでご相談ください!

 

 【こちらの記事も合わせてご覧ください】

「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の違いって?特別管理廃棄物や、分別を間違いやすい廃棄物もご紹介

産業廃棄物の1つ「燃え殻」とは?ばいじんとの違い、処理・リサイクル方法を解説

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