コラム
産業廃棄物 2024.03.01
特別管理産業廃棄物管理責任者とは?役割や必要な資格・経歴、取得までの流れについて
廃棄物回収価格適正化業者選定産業廃棄物
爆発性や毒性を有する特別管理産業廃棄物は、収取運搬・処理する際に注意が必要です。 また、排出する事業場では“特別管理産業廃棄物管理責任者”を設置しなければならないと法律で定められています。 そこでこの記事では、“特別管理産業廃棄物管理責任者”の概要や役割について詳しく解説! “廃棄物管理責任者”との違いや、責任者になるために必要な資格・経歴、資格習得までの流れも併せてご紹介します。
1.特別管理産業廃棄物とは?
“特別管理産業廃棄物”とは、爆発性・毒性・感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずる恐れのある性状を有する廃棄物のこと。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)によって定義付けられており、通常の産業廃棄物より厳しい規制と処理基準を設けられているため、保管・処分する際には取り扱いに気を付けなければなりません。
なお、ひとくちに特別管理産業廃棄物といっても種類は様々。
具体的には、以下の5種類に分類されます。
■廃油(揮発油類・灯油類・軽油類 ※難燃性のタールピッチ類等を除く)
■廃酸(著しい腐食性を有するpH2.0以下の廃酸)
■廃アルカリ(著しい腐食性を有するpH12.5以上の廃アルカリ)
■感染性産業廃棄物(医療機関等から排出される産業廃棄物であり、感染性病原体が含まれているor付着している恐れのあるもの)
■特定有害産業廃棄物(廃PCB、PCB汚染物、廃水銀、指定下水汚泥…etc.)
【こちらの記事も合わせてご覧ください】
特別管理廃棄物とは?種類・該当する品目などについて詳しく解説
2.特別管理産業廃棄物管理責任者の役割
先述したように、爆発性や毒性を有する特別管理産業廃棄物は取り扱いに注意が必要です。
そのため、排出する事業者や事業場は処理業務を適切に行うために“特別管理産業廃棄物管理責任者”を置くことよう、法律で定められています。(法第12条の2第8項)
特別管理産業廃棄物管理責任者の役割は、事業場における特別管理産業廃棄物の管理全般業務を廃棄物処理法に基づいて適正に行うこと。
具体的には、特別管理産業廃棄物の排出状況の把握や、処理計画の立案、適正な処理の確保(保管状況の確認、マニフェストの交付・保管etc)などが求められます。
もし特別管理産業廃棄物管理責任者を設置しなかった場合には、30万円以上の罰金が課せられます。
加えて、廃棄物の不法投棄など不適切な処分を行った際には、さらに厳しい罰則が課せられるため注意しましょう。
3.廃棄物管理責任者との違いは?
よく混同されがちですが、“廃棄物管理責任者”と“特別管理産業廃棄物管理責任者”は別物です。
どちらも廃棄物の管理者ですが、法的根拠や必要な資格などが以下のように異なります。
■責任者を設置する法的根拠
廃棄物管理責任者:各自治体の条例
特別管理産業廃棄物管理責任者:廃棄物処理法
■責任者の設置が必要な条件
廃棄物管理責任者:事業用の延床面積が一定以上ある場合
特別管理産業廃棄物管理責任者:事業場で特別管理産業廃棄物を排出する場合
■責任者になるために必要な資格
廃棄物管理責任者:特になし
特別管理産業廃棄物管理責任者:環境省例で定められた資格が必要
4.必要な資格・経歴。責任者になるまでの流れ
特別管理産業廃棄物管理責任者は、一定の条件を満たしている方、もしくはJWセンターや医師会での講習会を受けて管理者の資格を取得できます。
特別管理産業廃棄物管理責任者になれる条件は以下の通り。
廃棄物の種類によって、必要となる資格・経歴は異なります。
4-1.感染性産業廃棄物が生じる事業場
感染性産業廃棄物を生ずる事業場で廃棄物管理責任者になるためには、以下のいずれかの資格・経歴が必要です。
・医師、薬剤師、保健師、看護師、助産師など医療系の資格を有していること
・環境衛生指導員の資格を有し、2年以上環境衛生職員として実務経験を積んでいること
・大学か高等専門学校において医学や薬学等の課程を卒業、もしくは同等以上の知識を有していると認められること
上記に当てはまる方の中から、特別管理産業廃棄物管理責任者を選任しなければなりません。
4-2. 感染性産業廃棄物が生じる事業場
学校区分および、修了科目により廃棄物管理責任者になれる条件が異なります。
例えば環境衛生指導員の資格を有している方は実務経験が2年以上必要です。
詳しくは日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)のサイトで公表されていますのでチェックしてみてくださいね。
なお、上記サイトには“上記の者と同等以上の知識を有すると認められる者”という表記がありますが、多くの都道府県・政令市では公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が開催している“特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会”を修了することで、同等以上の知識を有すると認められます。
5.特別管理産業廃棄物の委託は、管理責任者を設置している業者へ!
冒頭でも解説したように、爆発性・毒性・感染性そのほか人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物は“特別管理産業廃棄物”に該当します。
特別管理産業廃棄物は取り扱いに注意が必要なため、排出する事業者や事業場は、特別管理産業廃棄物管理責任者を置くことが、法律で定められています。
管理者を設置しなかった場合は30万円以上の罰金が課せられる他、不法投棄など不適切な処分を行った際はさらに厳しい罰則が課せられるため注意が必要です。
ただし、特別管理産業廃棄物管理責任者になるためには、それぞれ大学等の終了課程や実務経験などの要件を満たしている必要があります。
そのため、特別管理産業廃棄物の処理を業者委託する場合は、特別管理産業廃棄物について知識があり、それを取り扱うことのできる業者かどうか確認しておくことが大切です。
業者選びの際には、キチンと許可を取得しているかなどをチェックしましょう。
なお、リダクションテクノでは特別管理産業廃棄物を含む幅広いご相談に対応!
コスト削減やリサイクルに関するご相談にも応じておりますので、廃棄物に関してお悩みを抱えている方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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