コラム
産業廃棄物 2021.03.05
廃棄物は仮置き場でも保管表示が必要?保管基準や保管する際の注意点について解説
廃棄物回収価格適正化業者選定産業廃棄物廃棄物
廃棄物の管理・保管を担当している方の中には「法律で定められている保管基準や、仮置き場の保管表示について実は詳しく知らない…」という方もいらっしゃるのでは?この記事では、そんな方に向けて廃棄物の保管基準や、仮置き場に保管する際の注意点などについて詳しく解説します!
1.廃棄物の保管基準とは
廃棄物の保管基準について、法律によって以下のように定められています。
<廃棄物処理法 第12条第2項>
事業者は、産業廃棄物が運搬されるまでの間、環境省令で定める技術上の基準に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない。
廃棄物を正しく保管することは、収集運搬業者や中間処理施設だけでなく、排出事業者責任のひとつです。不適切な保管方法で廃棄物を取り扱うと、生活環境を汚染する可能性もあるため十分に気を付けましょう。
2.産業廃棄物の保管基準
事業活動に伴い排出された産業廃棄物の保管基準は、以下のように定められています。
参照:産廃知識 保管基準(公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター)
■囲いを設ける
保管場所の周囲には囲いを設けなくてはなりません。保管する産業廃棄物の荷重が囲いに直接かかる場合は、その荷重に対して構造耐力上安全な囲いを設ける必要があります。
■掲示板を設置する
保管場所には、産業廃棄物の保管に関して必要な事項を表示した掲示板を見やすいところに設ける必要があります。掲示板のサイズも決められており、廃棄物の種類や管理者情報などの記載事項と合わせて確認漏れがないように気を付けましょう。
■飛散・流出・地下浸透・悪臭発散を防止する
保管場所から産業廃棄物の飛散や流出、地下浸透、悪臭発散が生じないよう適切な措置を講じなければなりません。
■公共水域・地下水の汚染を防止する
産業廃棄物の保管に伴い、汚水が生じる可能性がある場合には公共水域と地下水の汚染を防止するための措置を講じなければなりません。例えば排水溝等の設備を設けるとともに、設備の底面を不浸透性の材料で覆うなどの対策が必要です。
■害獣・害虫が発生しないよう対策を行う
ねずみなどの害獣や、蚊・ハエといった害虫が保管場所に発生しないよう対策を行うことも必須です。
■容器に入れず、野外で保管する場合
産業廃棄物を容器に入れず、野外で保管する場合には以下の基準が設けられています。
【廃棄物が囲いに接しない場合】囲いの下端から勾配50%以下
【廃棄物が囲いに接する場合】囲いの内側2mは、囲いの高さより50cmの基準線以下とし、2m以上の内側は勾配50%以下とする
※勾配50%とは「底辺:高さ=2:1の傾きで約26.5度」を基準とする
■石綿含有産業廃棄物を保管する場合
石綿含有産業廃棄物を保管する場合は、仕切りを設けるなどしてその他の廃棄物と混合しないよう注意しなければなりません。加えて、廃棄物が飛散しないように梱包したり覆いを設けるといった措置も必要です。
■水銀使用製品産業廃棄物を保管する場合
水銀使用製品産業廃棄物を保管する場所には、仕切りを設けるなどその他の廃棄物と混合しないよう必要な措置を講じなければなりません。
3.「廃棄物の仮置き場」でも保管表示は必要なのか?
産業廃棄物の取り扱いについて、担当者が頭を悩ませがちなのは“仮置き場の保管表示”について。
前項にて産業廃棄物の保管場所には必要な事項を表示した掲示板を設置しなければならないと解説しましたが、「仮置き場の場合でも保管表示は必要なの?」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
仮置き場であっても、保管表示は必要です。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、仮置きの概念がありません。そのため、仮置き場でも保管表示をしていなかったら違反と判断されることがあるので注意しましょう。
4.【容器別】廃棄物を保管する際の注意点
最後に、容器ごとの廃棄物保管の注意点を解説します。
4-1.フレキシブルコンテナバッグ
フレキシブルコンテナバッグとは、布や樹脂製フィルムなどの柔軟性のある材料で作られた袋状の容器。素材の特性上、水分を含む廃棄物は染み出してしまったり、尖った廃棄物は突き破ってしまう可能性があるので、取り扱いには注意が必要です。
4-2.ドラム缶
ドラム缶は汚泥など水分を多く含む産業廃棄物を保管する際に用いられることが多いです。
ただし、低沸点の液体やガスが発生しやすい液体を扱う際は膨張・爆発する可能性があるので要注意。周囲の温度環境にも配慮しなくてはなりません。
4-3.コンテナ
底の部分が四角形になっている容器のこと。廃棄物の保管には鉄製の着脱式コンテナ(バッカン)が使われることが多いです。
コンテナは天井部分がないので、飛散・流失・悪臭・浸透・雨水の侵入を防止するために防水シートで天井部分を覆うなどして対策を講じなければなりません。
4-4.一斗缶
廃油などの産業廃棄物を保管する際、ドラム缶ほどの容量が必要ない場合には一斗缶を使用することが多いです。
ただし、液状廃棄物を保管する場合には腐敗や破損に注意し、フタがしっかりと密閉出来ているか確認する必要があります。
5.産業廃棄物の保管についてお悩みの方は“リダクションテクノ”にご相談ください!
上記のように、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をもとに廃棄物の保管基準は定められています。
ですが各自治体によってそれぞれの基準が設けられている場合もありますので、詳細については行政に確認してみてください。
ちなみに、弊社・リダクションテクノでは産業廃棄物の定期回収だけでなく、スポット回収にも対応。お客様のタイミングに合わせて廃棄物を回収しております。
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