コラム
産業廃棄物 2023.01.23
廃掃法の抑えておくべきポイントをわかりやすく解説!法改正後に変化した点とは?
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廃棄物の定義や処理のルールを定めている「廃掃法(廃棄物処理法)」。 しかし、中には「名前は知っているけれど、どんな法律かわからない…」という方もいるのではないでしょうか? そんな方々へ向けて、この記事では廃掃法のポイントをわかりやすく解説! 2020年の改正による変更点や、事業者が廃棄物を取り扱う際の注意点も併せてご紹介します。
1.“廃掃法”について正しく理解できていますか?
廃掃法とは、廃棄物の定義と処理のルールが定められている「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の略称。
「廃棄物処理法」とも呼ばれており、廃棄物処理のための各種許可制度や違反者への罰則なども設けられています。
法律の対象となるのは、廃棄物が発生するすべての事業者(排出事業者)。
廃棄物を処理する際、排出事業者は法律に則った適切な方法で処理しなければなりません。
例えば、不法投棄や焼却施設以外での焼却といった処理に関する違反行為や、無許可業者への委託やマニフェストの不交付などの違反行為を行うと、罰金や懲役刑に科されます。
2.時代のニーズとともに変化した点
廃掃法は昭和45年12月25日に交付された法律ですが、時代のニーズに合わせて何度も改定されています。
特に近年大きく変化したのは、2020年4月の改正。
特定の事業場を対象に、電子マニフェストの使用が義務付けられるようになりました。
マニフェスト(管理票)とは産業廃棄物を運搬する際に使う産業廃棄物管理票のことで、産業廃棄物を処理する際にはこの交付が必要となります。
マニフェストには“紙の書類”と“電子”の2種類あります。
以前は産業廃棄物の収集運搬・処分は紙媒体のマニフェストによって管理されていましたが、2020年4月1日の改正後は以下の事業場に電子マニフェストの使用が義務づけられました。
<電子マニフェストの使用が義務づけられた対象事業場>
▶前々年度の特別管理産業廃棄(PCB廃棄物を除く)の発生量が年間50トン以上の事業場を設置している排出事業者で、当該事業場から生じる特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)の処理を委託する場合
電子マニフェストの使用義務者が、やむを得ない事由を除き紙マニフェストを交付した場合には、勧告や公表、命令を経て、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるため注意が必要です。
3.注意すべきポイントとは?
最後に、廃棄物を取り扱う際に注意すべきポイントを5つご紹介します。
3-1.最終処分が完了するまで排出事業者に責任がある
廃棄物を処理業者に回収してもらえば排出事業者としての責任を果せる、というわけではありません。
例え廃棄物が回収されても、最終処分が完了するまでは排出事業者に責任があります。
万が一廃棄物が不法投棄されてしまった場合、実際に不法投棄に携わっていなくても排出事業者にも責任があるとして罰則が課されるため要注意。
処理場の現地確認など、正しく処分されたかどうか確認することも必要となります。
3-2.業者に委託する際は、マニフェスト・契約書・許可証をチェック
廃棄物処理業者に委託する際は、マニフェストや契約書、業者が取得している許可証の確認を忘れずに行いましょう。
マニフェストの虚偽記載や、無許可業者への委託は法律違反に該当します。
・マニフェストの内容は委託契約書と整合性が取れているか
・委託契約書の内容は許可証と整合性がとれているか
・業者の取得している許可証は有効期限内であるか
業者に委託する際には前もって上記のポイントを確認しましょう。
3-3. 処理困難通知にも対応できる体制を整えておく
不測の事態に備えて、「処理困難通知」に対応できる体制を整えておくことが重要です。
これは「委託された廃棄物の処理が困難になった」という旨を10日以内に排出事業者に知らせる書面通知です。
処分業者が何らかの理由で施設を稼動できなくなった、または廃棄物処理が継続できなくなった場合に通知されます。
排出事業者がこれを受け取った場合、処理状況を確認のうえ必要に応じて廃棄物の撤去などの措置を講じなければなりません。
なお、中には「契約を解除の上、他の業者に廃棄物処理を委託しなおす」「委託業者からマニフェストが返送されていない場合、通知を受けた日から30日以内に措置内容等報告書を都道府県知事に提出する」等の対応が必要なケースがあります。
必要となる対応は自治体により異なる場合もあるため、詳細は管轄の自治体に問い合わせましょう。
3-4.あらかじめ両罰規定を把握しておく
両罰規定とは、違反行為の罰則を行為者本人だけでなく、同様に法人に対しても罰則をかけること。
つまり、会社の業務を社員が違反した場合、行為者だけでなく会社側も罰せられます。
同規定は廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第32条にて定められています。
過去には依頼主から委託された産業廃棄物第三者へ転売したとして、法人とその会社に勤務している責任者個人にそれぞれ罰金100万円が科せられた事例もあります。
3-5.契約書の自動更新には要注意!
前項にて廃掃法は時代のニーズに合わせて何回も改定が行なわれていると解説したように、法律は状況に応じて内容が変更されることもあります。
そのため、契約書の自動更新には注意しましょう。
契約書の内容を確認しないまま自動更新すると、法改正により変わった契約書の法廷記載事項に気付かず、廃棄法違反になってしまう恐れもあります。
過去に締結した契約書を自動更新している場合は、記載事項の漏れがないか確認しましょう。
4.産業廃棄物は廃掃法に則り、正しく処理しましょう!
記事内でもご紹介したように、廃掃法は廃棄物が発生するすべての事業者(排出事業者)が対象となります。
また、時代のニーズに沿って改正が繰り返されており、現在は電子マニフェストの使用を義務付けられている事業者か把握して適切に対応する必要があるため注意が必要です。
また、すべての排出事業者は排出した廃棄物が適切に処理されているか確認し、最後まで責任を持って対応しなければなりません。
「気付かないうちに法律違反していた…」ということにならないよう、廃掃法を理解して正しい方法で廃棄物を処理しましょう!
リダクションテクノでは、廃棄物に関する幅広いご相談に対応しています。
リサイクルやコスト削減のご提案や、法令により定められている委託契約書の締結もサポートしていますので、廃棄物に関するお悩みを抱えている方はぜひ一度リダクションテクノまでお問い合わせください!
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