コラム

産業廃棄物 2022.09.29

残土ってどうやって処理するの?分別・種類・汚泥との違い・解決すべき課題について

環境廃棄物回収業者廃棄物

残土とは、建築工事や土木工事などで発生する土のことです。 しかし、ひとくちに残土といっても様々な種類があり、特徴や用途・処理方法も異なるため取り扱いには注意しなければなりません。 この記事では、この記事では残土の種類や用途・処理方法について徹底解説! 併せて、汚泥との違いや建築現場で排出されることの多い廃棄物、残土処分の課題もご紹介します。

1.残土は産業廃棄物?なぜ発生するの?

まずは残土の概要や分別、発生する理由について解説します。

 

1-1.概要・分別

残土(ざんど)とは、建築工事や土木工事などで建設副産物として発生する土のことです。

正式名称は“建設発生土(けんせつはっせいど)”で、一般的には残土と呼ばれることが多い廃棄物です。

 

残土そのものは産業廃棄物に分類されませんが、紙くずや金属くずなどといった産業廃棄物が混入の場合もあります。

その場合、混入している物を取り除かなければ、産業廃棄物に該当します。

 

産業廃棄物は処分の際に環境や人体に悪影響を及ぼすため、産業廃棄物の収集運搬・処分の許可を得ている業者に委託しなければなりません。

無許可の業者に依頼してしまうと、排出事業者も罰則を受けることとなるため注意しましょう。

 

1-2.発生する理由

残土は建築工事や土木工事などで建設副産物として発生する土のことです。

建築工事や土木工事で建物を造る場合、一般的には地面を掘削し、建物を造った後に土で埋め戻しを行いますが、建物の分、埋め戻しをしても余剰の土が発生します。

 

 

2.残土は状態やコーン指数によって種類が異なる!

種類が様々な残土は、状態やコーン指数(地盤の強度を示す指標)によって、主に以下の5種類に分かれます。

 

・第1種建設発生土

・第2種建設発生土

・第3種建設発生土

・第4種建設発生土

・泥土

 

それぞれが用途や処理方法が異なる廃棄土のため、分別には注意しましょう。

 

 

3.種類別の分類や用途・処理方法、汚泥との違い

前項にてご紹介した5種類の残土のそれぞれの分類や用途・処理方法と、汚泥との違いについて解説します。

 

3-1.第1種建設発生土

【分類】主に砂や礫(つぶて)などは第1種建設発生土に分類。コーン指数は定められていない。

【用途】砂や礫と同等の品質が保てている場合、主に土地造成や道路用の盛り土、河川の高規格堤防建設、工作物の埋め戻し、土木構造物の裏込めなど。

 

3-2.第2種建設発生土

【分類】砂を多量に含む砂質土や礫の割合が多い礫質土は第2種建設発生土に分類。コーン指数が800kN/㎡以上。

【用途】砂と同等の品質を保てている場合、主に土地造成や道路用の盛り土、河川の堤防建設、工作物の埋め戻し、土木構造物の裏込めなど。

 

3-3.第3種建設発生土

【分類】通常の施工性が確保されている粘性土は、第3種建設発生土に分類。コーン指数が400kN/㎡以上。

【用途】土地造成や河川の堤防建設、道路用の盛り土や工作物の埋め戻し、土木構造物の裏込めなど。

 

3-4.第4種建設発生土

【分類】第3種建設発生土に当てはまらない粘性土は、第4種建設発生土に分類。コーン指数が200kN/㎡以上。

【用途】水面の埋め立て、道路用の盛り土、河川の堤防建設、工作物の埋め戻し、土木構造物の裏込めなど。

  

3-5.泥土

【分類】強度の低い泥状の土は、泥土に分類。コーン指数200kN/㎡未満。

【用途・処理方法】泥土は水分を多く含むため、主に土質の改良後、水面の埋め立てなど。

なお、再利用できないものは汚泥として処理。

 

3-6.汚泥との違い

残土と汚泥は異なります。

残土は建築工事や土木工事などの採掘工程で発生した土ですが、汚泥は建設工事で副次的に発生したものです。

汚泥のコーン指数は200kN/㎡以下もしくは、一軸圧縮強度が50kN/㎡以下で、水分を多く含み、泥の粒子に微細な特徴があります。

汚泥を見極める点は以下の2つです。

 

■標準仕様のダンプトラックに積み上げられない、または、汚泥の上を人が歩けない

■ダンプトラックに山積みできたとしても、運搬中に泥状へ変化しやすい

 

上記を参考に、汚泥かどうか判断しましょう。

なお、汚泥は産業廃棄物に分類されるため、廃棄物処理法のルールに従って処理しなければなりません。

適切な方法で処分しないと法律違反となり罰則を科される可能性があるため注意が必要です。

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

判断基準が難しい産業廃棄物“建設汚泥”について解説!定義は?土砂との違いは?

 

 

4.その他、建築現場で排出されることの多い廃棄物一覧

他にも、建築現場では以下のような廃棄物が排出されることが多いです。

 

■汚泥(場所打抗工法や泥水シールド工法などで生ずる廃泥水…etc)

■廃油(防水アスファルト(タールピッチ類)や、アスファルト乳剤等の使用残さ…etc)

■廃プラスチック類(廃発泡スチロール等梱包材、廃ビニール、廃シート類…etc)

■紙くず(ダンボール、包装材、壁紙くず、障子紙くず…etc)

■木くず(型枠、足場材、内装・建具工事等の残材…etc)

■繊維くず(縄、ロープ類、廃ウエス…etc)

■ゴムくず(天然ゴムくず)

■金属くず(金属加工くず、足場パイプ、鉄骨鉄筋くず…etc)

■ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず

■がれき類(コンクリート破片、レンガ破片…etc)

 

ただし、上記で挙げた廃棄物は必ずしも単品で排出されるとは限りません。

中には複数の品目が混ざり合った状態で“建設混合廃棄物”として排出される場合もあります。

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

混合廃棄物ってどんなごみ?判断基準や分類、処理業者選びの注意点も徹底解説

 

 

5.残土処分の課題

最後に、残土処分の課題についてご紹介します。

 

現在、残土処分は人命に直接影響を与える申告的な社会問題として取り上げられています。

特に浮き彫りとなったのは、2021年7月3日に発生した熱海市伊豆山土石流災害です。

当時歴史的な豪雨に見舞われた熱海市は、大規模な土石流が発生しました。

天候や土砂崩れが起こりやすい地形であったことも発生要因ですが、業者による不正な盛り土が行われていたのも要因のひとつとされています。

実は、土石流発生の要因となった盛り土の実態は残土でした。

 

そのため、今後土石流災害を防ぐためにも、適切に処分したり、盛り土として放置されることがないように取り組んでいかなければなりません。

 

 

6.リダクションテクノでは残土や建設廃棄物の収集・処分依頼に対応!

建築工事や土木工事などで発生する残土には様々な種類があり、産業廃棄物が混入している場合もあるため注意しなければなりません。

分別判断を誤れば、処理を業者に委託していても排出事業者も廃棄物処理法に違反したとみなされます。

分別の他にも、土石流災害などを防ぐためには処理方法にも注意が必要です。

「処理費用が安いから」といった安易な理由で業者を選ぶのではなく、適切な処分してくれる業者を選びましょう。

 

ちなみに、リダクションテクノでは、残土や建設廃棄物の収集・処分依頼に対応!

全9都県において、産業廃棄物収集運搬許可証を得ていますので安心してお任せいただけます。

 

また、その他にも環境へ配慮した取り組みやコスト削減に関するご提案も可能です。

 

残土や産業廃棄物の処理についてお悩みを抱えている方は、ぜひ一度リダクションテクノまでお問い合わせください!

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

建設廃棄物とは?種類・建設副産物との違い・処分する際の注意点などを解説!

「がれき類(コンクリートがら)」と「コンクリートくず」の違いを徹底解説!

 

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