コラム
産業廃棄物 2022.01.27
産業廃棄物の不法投棄が及ぼす影響。環境汚染や人体への健康被害に繋がる恐れも…!
リサイクル環境再資源化産業廃棄物
産業廃棄物の不法投棄は犯罪です。違反すると、処理業者だけでなく排出事業者も責任を問われ、懲役刑や罰金刑に科されます。しかし、現状日本では産業廃棄物の不法投棄が後を絶ちません。 この記事では、不法投棄がなくならない理由や現状などについて解説。併せて、委託した業者に不法投棄されないよう気を付けるべきポイントもご紹介します。
1.不法投棄がなくならない理由
不法投棄とは、廃棄物処分場以外に廃棄物を捨てる行為(未遂も含む)のこと。
産業廃棄物の不法投棄は法律で禁止されています。
廃棄物により土壌汚染や水質汚濁などといった環境問題が生じる可能性が高いため、法律に則った正しい手順で処分しなくてはなりません。
不法投棄を行った場合には、廃棄物処理業者と排出事業者に懲役刑もしくは罰金刑、またはその両方が科されます。
しかし、現状日本では産業廃棄物の不法投棄が後を絶ちません。
その理由は主に“コスト削減”が影響しているとされています。
廃棄物を適正に処理するには、業者への委託費用や人件費、時間、資材などのコストがかかります。
そのため、不適切な処理をすることでコストダウンに繋げているというケースが多いといいます。
また、中には知らない間に業者が不法投棄を行っていたため、非意図的に不法投棄になってしまったというケースも。
「不法投棄されていることを知らなかった」という場合でも、責任は廃棄物処理業者だけでなく排出事業者にも問われるため注意が必要です。
2.産業廃棄物の不法投棄の状況(令和元年)
続いて、日本における不法投棄の状況について解説します。
環境省が令和3年に発表した報告書によると、令和元年に発覚した産業廃棄物の不法投棄は151件。
不法投棄量は7.6万トンでした。
前年度は155件、15.7万トンだったため、量は半減していますが件数はほとんど変わっていません。
参照:産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和元年度)について[環境省]
3.日本で起こっているその他の問題
産業廃棄物の不法投棄が引き起こす問題は環境問題だけではありません。
土壌汚染や水質汚濁された土地の影響で、後々人体への健康被害が生じることがあります。
実際に、1978年にはアメリカで有害物質が不法投棄された場所周辺の多くの住民に、呼吸器障害やてんかん、出産異常などが生じました。
このまま不法投棄が絶えないと、日本でも同じような事例が起こってしまう恐れがあります。
また、現在日本では産業廃棄物の不法投棄だけでなく、最終処分場の利用状況の逼迫も深刻化しています。
令和3年に環境省が発表した日本における最終処分場の残余年数は、21.4年。
年々限界に迫っており、対策が急がれています。
そのため、今後日本では廃棄物量の削減やリサイクルなどをより積極的に行っていかなければなりません。
参照:最終処分場の“残余年数”をご存じですか?日本における最終処分場の現状・問題解決のためにできること
4.「知らなかった」では済まない!知らない間に不法投棄されないために
冒頭でも解説したように、自社で排出した産業廃棄物が不法投棄されてしまった場合、責任を問われるのは処理業者だけではありません。
依頼した排出事業者にも懲役刑や罰金刑が科されるため、廃棄物が適正処理されているか確認することも重要です。
知らない間に不法投棄されないために、以下のポイントに気を付けましょう。
4-1.業者選定時に、「安いから」「全て丸投げ出来そう」といった理由で選ばない
他よりも格安で処理を請け負っている業者や、「全て丸投げでお任せいただけます」などと謳っている業者は、必要な免許や許可証を持っていなかったり不法投棄をしているケースがあります。
そのため、業者を選ぶ際には“価格面”や“手軽さ”のみを基準とするのは避けた方がいいでしょう。
後々トラブルにならないよう、適切に処理してくれる業者を選ぶことが大切です。
4-2.マニフェスト・契約書・許可証などを確認する
・マニフェストを発行しているか
・契約内容に不備等がないか
・必要な免許や許可証を持っているか
業者を選ぶ際には、まず上記の項目を確認しましょう。
マニフェストに虚偽の内容を記載したり許可を得ていない業者に依頼してしまうと、排出事業者も責任を問われます。
“安心して任せられるかどうか”をチェックするために、あらかじめ業者のホームページや行政の処理実績報告書を確認するなどの情報収集も大切です。
参照:マニフェストはなぜ必要?産業廃棄物を取り扱っている企業は必見!
4-3.定期的に業者の処理施設の訪問
廃棄物の処理の状況に関する確認は“努力義務”とされており、実施が義務付けられているわけではありません。
しかし、できれば定期的に現地確認を実施しておきましょう。
自社の産業廃棄物の処理委託先を訪問し、適正処理が行われているかどうかをチェックしておけば、不法投棄を未然に防ぐことができます。
参照:コロナ禍のいま、現地確認は必要?現地確認の必要性・手順などについて
5.不法投棄は、業者だけでなく排出事業者も責任を問われるので要注意!
上記のように、自社の廃棄物が不法投棄された場合、責任を問われるのは廃棄物処理業者だけではありません。
業者に委託した排出事業者も責任を問われ、懲役刑や罰金刑を科される恐れがあります。
法律を違反しないためにも、これを機にまずは適切な処理が行われているか確認し、契約書やマニフェストなど基本的な見直しから始めてみてはいかがでしょうか。
また、「知らない間に不法投棄されていた!」とならないように、処理業者の施設訪問をしておくと安心です。
ちなみに、弊社・リダクションテクノでは産業廃棄物収集運搬業許可も特別管理産業廃棄物運搬業許可も両方得ているので、安心してお任せいただけます。
廃棄物の処理だけでなく、コスト削減やリサイクルに関するご相談にも対応可能です。
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