コラム
産業廃棄物 2020.10.01
シリカゲル・乾燥剤(除湿剤)は産業廃棄物?捨て方・業者選びのポイントについて解説
廃棄物回収価格適正化業者選定産業廃棄物定期回収
「シリカゲルの捨て方が分からない…」 「事業活動で生じた乾燥剤(除湿剤)は産業廃棄物に該当する?」 そんなお悩みを抱えている方に向けて、この記事ではシリカゲル(乾燥剤)の用途や捨て方、廃棄されることが多い業界などについて徹底解説。 併せて、処理業者を選ぶ際のポイントもご紹介します。
1.そもそも乾燥剤とシリカゲルの違いとは
乾燥剤とは、空気中の水分を除去する吸湿性物質。
物質を乾かす効果があるため、食品の品質維持や医薬品の性能劣化を防止するために使用されています。
乾燥剤というとシリカゲルをイメージされる方も多いかもしれませんが、シリカゲルは乾燥剤の一種に過ぎません。
代表的なものだと、以下のような種類の乾燥剤がよく使用されています。
■シリカゲル
水分を含めたほとんどの液体や気体を乾燥させられる乾燥剤。
透明もしくは青色の粒状の乾燥剤で、透明な袋に入っています。
二酸化ケイ素を原料としたシリカゲルは吸着性に優れており、吸湿により膨張することもありません。
そのため使い勝手がよく、食品や精密機械など多くの商品の乾燥剤として使用されています。
■生石灰
シリカゲルと並び、多く使われている乾燥剤。
低湿度での吸湿力に優れているため、海苔やおかきなどに同封する乾燥剤として使われることが多いです。
しかし、生石灰は少量の水分を加えると消石灰(水酸化カルシウム)に変化し、高熱が発生するため要注意。
生ゴミなど濡れているものと一緒にしてしまうと発熱してしまう可能性があるので取り扱いには気をつけなければなりません。
■塩化カリウム
湿気を吸収すると液状化する乾燥剤。
押し入れの吸湿剤のような容器入りか、紙と合わせたシート状で使われることが多いです。
吸湿スピードが速いので、押し入れの吸湿剤の他には、主にクッキーやパイなどサクサクといった食感を開封まで保ちたい個包装のお菓子に使用されています。
■合成ゼオライト
ゼオライトを主成分とした、シート状やタブレット状の乾燥剤。
低湿度域でも吸湿力が高いため、水分の影響を受けやすい精密機械や医薬品と一緒に封入する乾燥剤として使用されています。
■クレイ系
合成ゼオライトと同様に、低湿度域でも吸湿力が高い乾燥剤。
粘土鉱物などを原料としており、水分を吸湿しても発熱・膨張する恐れがありません。
主に精密機械や電子機器などに封入されることが多いです。
2 シリカゲルの用途・捨て方・区分・よくある悩み
前項にて様々な乾燥剤をご紹介しましたが、今回この記事でクローズアップするのは、シリカゲルについて。
まずはシリカゲルの用途や捨て方などをご紹介します。
2-1.主な用途
シリカゲルは食品から住宅、精密機械の搬送、輸入の際の海上コンテナ内の湿気対策など様々な用途で使われています。
・食品を湿気から守る
海苔やせんべい、クッキーなどといった変質しやすい食品を湿気から守ってくれます。
また、シリカゲルは食品添加物として活用されることも多いです。
シリカゲル系の食品添加物・添加ろ過助剤は、FAO/WHOの合同食品添加物専門委員会も安全性を高く評価しているため、食品の製造工程で活用されています。
・住宅の湿気対策
シリカゲルは木造住宅やコンクリートの集合住宅の床下にて結露が発生するのを防いでくれる役割もあります。
平均湿度の高い日本では欠かせない存在といえるでしょう。
・精密機械の梱包搬送
乾燥剤は製品や部品を湿気から守り、高性能を保全するためにも欠かせない存在。
そのため、カメラやコンピュータなどといった精密機械を梱包搬送する際にも活用されています。
2-2.捨て方
シリカゲルを企業が廃棄する場合には、“産業廃棄物”扱いとなるため廃棄方法には注意しなければなりません。
産業廃棄物とは、“事業活動に伴って生じた廃棄物の内、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、その他政令で定められる廃棄物”のこと。
産業廃棄物は処分の際に環境や人体に与える悪影響が大きいので、産業廃棄物の収集運搬・処分の許可を得ている業者に運搬や処分を委託する必要があります。
2-3. 区分・処分方法
シリカゲルの産業廃棄物区分は、“汚泥”です。
燃えるゴミとして処分されがちですが、汚泥に区分されているため適切な方法にて処分する必要があります。
汚泥の処分方法は、焼却・溶解・セメント原料化・埋め立て・造粒固化など様々。
状態によっては粘土の代替原料として活用されたり、堆肥原料として再利用されたりする場合もあります。
なお、業者にシリカゲルの処理を依頼する場合には、キチンと許可を得ている業者かどうか確認を忘れずに。
産業廃棄物を収集運搬・処分できるのは、許可を得ている業者のみ。
もし許可を得ていない業者に委託してしまった場合は、依頼主である排出事業者が5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、あるいは両方を科されます。
「無許可だとは知らなかった!」では済まされないので、産業廃棄物の収集・運搬を依頼する際はちゃんと許可を得ている業者かどうか確認しましょう。
2-4.よくある悩み
■事業活動で排出されたシリカゲルは、家庭で排出された場合と処分方法が異なる?
→事業活動で生じたシリカゲルは産業廃棄物の汚泥として、一般家庭から排出されたシリカゲルは多くの自治体で可燃ごみとして排出できます。
ただし、自治体によって扱いが異なる場合もあるため、詳しくは自治体に問い合わせてみましょう。
■今までシリカゲルを燃えるゴミとして処理してしまっていた…
→事業活動で生じた場合、産業廃棄物の汚泥として処分しなければなりません。
■大手の産業廃棄物業者に汚泥の処理を依頼したが、物量が少ないため断られてしまった…
→現在委託している処理業者を見直さなければなりません。
ひとくちに処理業者といっても、対応できる範囲やサービス内容は業者によって様々。
いま委託している業者では請け負っていないことでも、業者によっては対応していることもあります。
3.シリカゲルが廃棄される業種や場所
シリカゲルは様々な用途で使用されていますが、特に物流業界や製造業界にて廃棄されることが多いです。
■物流業界
シリカゲルの処分量が特に多いのは、物流業界です。
物流センターや倉庫では、アパレル品や精密機械などの乾燥剤として使用していたシリカゲルを廃棄したり、シリカゲルを含めた事故品を処分したりといったケースが多くあります。
■製造業界
工場を運営しているメーカーも、シリカゲルの排出量が多いです。
物流業界と同様、乾燥剤として使用していたものや事故品などが日常的に排出されています。
4失敗しない!業者選びのポイント
最後に、業者を選ぶ際に確認するべきポイントについて解説します。「現在抱えている課題を解決したい」「業者を見直したい!」と考えている方は、以下のポイントを参考に処理業者を選んでみてくださいね。
4-1.小ロット(数量の大小問わず)でも対応してくれるか
業者によっては、廃棄物の物量が少ないと対応してくれないケースも多くあります。
そのため、委託する前には小ロットでも対応してくれるのかを確認しましょう。
4-2.多様な種類の焼却場と提携できているか
ひとくちにシリカゲルといっても、ゲル状のものや小袋状のものなど種類は様々。
形状によって廃棄方法も異なるため、多様な種類の焼却場と提携できているかもチェックしておきましょう。
4-3.今の産業廃棄物業者以外にあたってみる
シリカゲルは、通常の産業廃棄物とは処理場所が全く異なるため、既存の業者に断られてしまった場合はもう少し広い範囲で相談先を探してみることが必要です。
ちなみにリダクションテクノでは自社で運搬・処理を行いますので、汚泥と混合廃棄物などもあいのりで対応できます。
また、仕分け方法などについてもレクチャーすることが可能です。
4-4.エリアの強みを持っているか
処理コストを削減するためには、“効率的に回収できる”業者を選ぶのが重要なポイント。
廃棄物を処理する際には、処理費用の他に運搬費用も必要となります。
そのため、エリアに強みを持っており効率的に回れる業者に依頼すれば、適正コストで廃棄物を処理できます。
5.リダクションテクノならコスト削減や小ロットの依頼にも対応!
ご紹介したように、シリカゲルは産業廃棄物として処理する必要があります。
産業廃棄物処理には費用がかかるもの。
しかし、処分を依頼している業者選びを見直せば、無駄な費用を削減・コストを最適化できることもあります。
ぜひこの機会に処分業を見直してみてはいかがでしょうか?
リダクションテクノでは、シリカゲルなどの汚泥や産業廃棄物の処理にも対応。
処理コストの削減についてご提案することが可能です!
弊社が請け負っているその他の汚泥(弊社では化粧品の割れ物や飲食物の落としてしまったものなど)と一緒に処理を行い、コスト削減へと繋げられます。
また、対象エリア(東京・神奈川・千葉・埼玉)を絞っているため、小ロットの依頼もOK!
中には小ロットの依頼には対応していないという業者もありますが、弊社では対象エリアを重点的に巡回しているため小ロットにも効率的に対応できます。
他にも、焼却場へ持っていくための下準備も対応。
缶詰めなどは焼却場では断られてしまうケースが多いですが、スペースさえお借りできれば弊社スタッフが専用のプラスチック容器への移し替え含めて対応いたします。
シリカゲル(乾燥剤)など廃棄物の処理にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください!
【こちらの記事も合わせてご覧ください】
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