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産業廃棄物 2024.04.26

廃棄物が返品になったら…?発行済みマニフェストの取り扱いなど対処方法を解説

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「分別が不十分」などといった理由で産業廃棄物が返品された場合、どのように対処すればいいかご存じでしょうか? この記事では、廃棄物が返品される際の対処方法についてクローズアップ! 発行済みのマニフェストの取り扱いや、運搬時の注意点などを詳しく解説します。 委託した産業廃棄物が返品されてしまうのは、実は珍しいことではありません。 普段から事業活動に伴い産業廃棄物を排出している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

1.廃棄物は業者から返品されるケースもある!

事業活動に伴い排出された産業廃棄物は、一般的に専門業者に収取運搬・処分を依頼することが多いですが、全ての廃棄物を委託できるわけではありません。

中には、「分別ができていない」「中間業者の検品で受け取り拒否されてしまった」などの理由で、委託した廃棄物を返品されることもあります。

 

廃棄物を返品されてしまった際には、“発行済みのマニフェストや契約書に関する手続き”が必要です。

廃棄物を業者から返品されることは決して珍しいことでないため、万が一のケースに備えて返品時の対処方法についてあらかじめ知っておきましょう。

 

 

2.そもそも“マニフェスト”とは?

マニフェスト(管理票)とは、産業廃棄物を収集運搬・処分する際に使う“産業廃棄物管理票”のこと。

産業廃棄物の収集運搬・処分を委託する際に必要となる書類の一つで、廃棄物の種類や量・運搬業者などを記載します。

 

マニフェストは、産業廃棄物の流れを把握・管理し、適正に処理されているか確認するために必要不可欠です。

誰から委託されて、どのように処分されたのかを追跡できるようかを明確にし、不法投棄があった場合などに責任の所在を明らかにするためマニフェストの発行は法律で定められています。

そのため、産業廃棄物を排出する際は品目ごとにマニフェストを作成し、排出事業者から業者に交付しなければなりません。

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

産業廃棄物を収集運搬・処分する際は“マニフェスト”が必要!マニフェストの書き方・運用方法を解説

 

 

3.発行済みマニフェストの対処

それでは、廃棄物が返品される際、発行済みのマニフェストはどう取り扱えばいいのでしょうか?

 

一度発行してしまったマニフェストは破棄できません。

しかし、そのままだと廃棄物を中間処理や最終処分にもまわせないため、以下のように対処します。

紙のマニフェストと電子マニフェストでそれぞれ対処法が異なるため、注意しましょう。

 

3-1.紙のマニフェストの場合

収集・運搬まで使用したマニフェストの備考欄に、「返品によりB2票以降は不使用」などと記載します。

そのあとに、空いているスペースにマニフェストが使用されていない明確な理由を記載しましょう。

 

3-2.電子マニフェストの場合

電子マニフェストの場合は、システム上で取り消しを行います。

 

ただし、電子マニフェストには取り消しの理由を記載するスペースがありません。

理由の記載は義務ではありませんが、万が一行政のチェックが入ったときのことを考えて備考欄に理由を明記しておくのが安心です。

備考欄に廃棄物の返品によって処理が行われなくなった旨を追記する修正操作を行い、そのあとに取消を行うと安全でしょう。

 

 

4.返品時の運搬について

続いて、廃棄物を返品された際の運搬について解説します。

 

廃棄物を返品してもらう際は、基本的には業者に運搬を依頼することが多いでしょう。

その際は、別途委託契約書の締結とマニフェストの発行が必要です。

返品の運搬に対してはそこまで厳しく取り締まらないという見解もありますが、厳密に対応するのがベター。

リスクを避けるためにも、適切な対処方法を知っておくことが重要なポイントとなります。

 

なお、あらかじめ委託契約書に返品時の対応についての内容を記載しておくのも良いでしょう。

分別が徹底できるか確約できないものなどには、返品時の運搬料金などを設定して契約書に盛り込んでおけば、いざというときスムーズに対応できます。

 

 

5.返品運搬時のマニフェスト

廃棄物を返品するため、運搬時に発行するマニュフェストは以下のように対処しましょう。

 

5-1.紙のマニフェストの場合

返品のために運搬する場合のマニフェストは、排出事業場を中間処理業者の住所とします。

目的地に記載するのは、自社の住所です。

誤った内容を記載しないよう注意しましょう。

 

5-2.電子マニフェストの場合

電子マニフェストの場合も原則、紙のマニフェストと対処方法は同じです。

ただし、電子マニフェストは排出事業場を複数登録できるため、中間処理業者の住所をあらかじめ登録しておいて、マニフェスト発行画面で選択しましょう。

 

なお、電子マニフェストの場合はそのままの設定だと、運搬する目的地に自社の住所を設定できないため要注意。

“報告不要業者設定”から、自社の住所を設定しておく必要があります。

そうすれば、マニフェストを発行する際に運搬の目的地候補として選択することが可能です。

 

 

6.リダクションテクノでは、廃棄物に関する様々なお悩みに対応!

冒頭でも解説したように、産業廃棄物の収集運搬・処分を行う際は、排出事業者がマニフェストを作成して、処理業者に交付しなければなりません。

 

しかし、委託した廃棄物が受取拒否等で返品となった場合は、発行済みマニフェストの追記や取り消し、返品時の運搬に係る委託契約書の締結、返品時のマニフェスト発行が必要です。

紙か電子によって多少対処方法は異なりますが、いずれにしても返品対応のマニフェストは発行できます。

マニフェストの発行などは面倒に感じるかもしれませんが、後々のリスクを防ぐためにも適切に対処しましょう。

 

ちなみに、リダクションテクノでは廃棄物の収集運搬・処分だけでなく、マニフェストの発行に関するご相談も承っています。

その他にもコスト削減やリサイクルに関するご提案も行っていますので、廃棄物処理に関するお悩みを抱えている方はぜひリダクションへご相談ください!

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

電子マニフェストとは?導入するメリット・紙マニフェストとの違いなどを解説

産業廃棄物を分別するべき理由。処理コストの削減に繋がることも!?

 

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