コラム

1.そもそもPFASとは？

PFAS(ピーファス)とは、炭素とフッ素の結合を持つ有機化合物の総称。

熱に強く水や油を弾くため様々な用途で使われていましたが、人体に有害な影響を与えるとして近年では世界的に製造や使用が問題視されています。

 

具体的にどんな影響を与えるかというと、国際がん研究機関では、PFASの一種であるPFOAとPFOSを“ヒトに対して発がん性がある”と分類。

そのほかにも、長期的に摂取するとホルモンの動きを阻害したり、免疫機能を低下させたりといった影響が及ぶと考えられています。

 

また、PFASは自然界では分解しきれないという面も問題視されている理由の一つ。

実際に、国内の井戸水から基準以上のPFASが検出された事例があるため、化審法での第一種指定を受け、製造を含む取り扱いに制限がかけられています。

 

 

2.主な用途

そんな取り扱いに注意が必要なPFASですが、具体的にどんな製品に使用されているのでしょうか？

 

PFASは、主に防水加工のカーペットやカーテン、登山用品、こげないフライパンのテフロン加工などに使用。

高い耐熱性や撥水性、撥油性を持つことから、生活用品から織物製品だけでなく、半導体製造用製品や建築用製品など様々な用途で使われています。

 

ただし、PFASを使用しているのは製造業の中でもごく一部の企業だけ。

全ての製品に使用されているとは限りません。

賞品の製造だけでなく、PFASは泡消火剤の廃棄などに使用されるケースも多いです。

 

3.PFOS含有廃棄物の定義

続いて、PFOS含有廃棄物の定義について解説します。

 

冒頭でも解説したように、PFOS はPFASの一種であり“ヒトに対して発がん性がある”と分類されている化合物。

PFOSを含む廃棄物は大気汚染防止法及び水質汚濁防止法などにより、排出濃度等について厳しい規制が設けられているため取り扱いには注意が必要です。

 

しかし、実はPFOS含有廃棄物には廃棄物処理法において明確な定義が存在しません。

適正処理には基準が設けられていますが、実際にどのくらいPFOSを含むものが“PFOS含有廃棄物”に該当するかなどは定められていないのです。

 

とはいえ、PFOSは発がん性が認められているため慎重に取り扱わなければなりません。

判断に迷った場合には、管轄する自治体へ問い合わせてみましょう。

 

 

4.処理する基準のご紹介

前項にて少し解説しましたが、PFOS含有廃棄物には法律において明確な定義が存在しないものの、適正処理には基準が設けられています。

 

例えば、POFS等の分解処理について定められている定義は以下の通り。

下記を満たす分解処理は焼却処分を行います。

【分解効率】99.999パーセント以上

【排ガス中濃度】60μg/m3N

【廃水中濃度】1μg/L

【残渣中濃度】5μg/kg-dry

 

その他、詳細は環境省が公表している以下の資料をご参照ください。

参照：PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項(環境省)

 

 

5.処理までの流れ

最後に、PFASを含む廃棄物を処理するまでの流れについて解説します。

PFASを含む廃棄物を処理するまでの流れは以下の通りです。

 

① 回収

PFASは主に消火装置の更新や、薬剤を入れ替える際に排出されることが多いです。

回収する際は、主にIBC容器やドラム缶、ポリ缶、ローリー車などを使用。

PFASを抜き出して回収します。

 

② 収集・運搬

PFASの収集・運搬には、ローリー車もしくはウイング車を使用。

安全に十分配慮しながら保管施設・焼却処理施設へと運搬します。

 

③ 保管

屋内の保管施設に運搬後、不浸透措置などを講じたスペースにて保管します。

なお、受け入れ時には容器の状態をチェックしたうえで、必要であれば鋼製容器で養生します。

 

④　焼却処理

焼却炉など設備の整っている施設にて処理します。

 

 

6.PFAS・PFOSに関わるリスクが不安なら、廃棄物のプロに相談を！

ご紹介したように、有機化合物” PFAS(ピーファス)”は人体に有害な影響を与えるため取り扱いには要注意。

そのうちの一種であるPFOSは定義が定まっていないため、特に気を付けなければなりません。

PFASやPFOSを含む廃棄物を処分するにあたって不安に感じる場合は、管轄の自治体か廃棄物処理業者などに相談してみましょう。

 

なお、リダクションテクノでは今回ご紹介したPFASやPFOSを含む廃棄物に関するご相談にも対応。

廃棄物に関する幅広いご相談に応じていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください！