コラム
産業廃棄物 2024.02.16
産業廃棄物を不法投棄するとどうなる?!罰則や対策について解説!
環境廃棄物回収安心第一業者選定産業廃棄物
産業廃棄物の不法投棄は法律で禁止されています。 例え業者に処分を委託した場合でも、業者が不法投棄した場合には排出事業者にも罰則が科される可能性があるため注意が必要です。 そこでこの記事では、不法投棄の罰則や未然に防ぐための対策をご紹介! 併せて、不法投棄が起こる原因や影響について解説します。
1.不法投棄とは
不法投棄とは、廃棄物処分場以外に廃棄物を捨てる行為(未遂も含む)のこと。
廃棄物は法律によって禁止されており、一般廃棄物は“一般廃棄物最終処分場”に、産業廃棄物は“産業廃棄物最終処分場”にそれぞれ定められた処分場で処分しなければなりません。
もし、山中や海、川、空き地、道路、私有地など定められていない場所に捨てた際は不法投棄とみなされます。
令和3年度に新たに判明した不法投棄の事案は107件。
前年度は不法投棄139件だったため数値だけみると減少していますが、いまだに年間100件以上の不法投棄が発生しています。
参照:産業廃棄物の不法投棄の状況(令和3年度)について(環境省)
法律に違反して不法投棄した場合、委託した業者と処理を依頼した排出事業者両方に懲役刑もしくは罰金刑、またはその両方が科されるため取り扱いには注意しなければなりません。
2.不法投棄が起こる原因とその影響とは?
不法投棄が起こる原因と影響は以下の通りです。
2-1.不法投棄が起こる主な理由
■全国的に処分場が不足している
産業廃棄物は定められた場所にて適切に処分しなければなりませんが、実は全国的に処分場が不足しています。
令和3年に環境省が発表した日本における最終処分場の残余年数は21.4年。
年々最終処分場の残余年数は限界に迫っているため、対策が急がれています。
【こちらの記事も合わせてご覧ください】
最終処分場の“残余年数”をご存じですか?日本における最終処分場の現状・問題解決のためにできること
■業者が処理能力以上の産業廃棄物を受け入れてしまう
売上のために、産業廃棄物処理業者が処理能力以上の産業廃棄物を受け入れた結果、処理しきれず不法投棄されてしまうケースもあります。
■コスト削減のため設備の導入などを行っていない
悪質な産業廃棄物処理業者の場合、設備の導入や処理コストを抑えるため不法投棄を行っている場合もあります。
2-2.不法投棄が及ぼす影響
もし大量の産業廃棄物が不法投棄されてしまうと、土壌や水質を汚染し、健康被害の原因となる恐れがあります。
環境汚染してしまった場合、原状回復には時間とお金が必須です。
放置されている時間が長ければ長いほど、原状回復までに長い時間と多くのお金が必要となります。
また、不法投棄は土砂崩れなどの災害や事故の原因となる可能性も少なくありません。
環境保全のためにも、災害や事故を起こさないためにも、不法投棄は絶対に行わないようにしましょう。
3.よくある落とし穴や厳しい罰則について
産業廃棄物は“処理業者に依頼したら、やることは全て終わり”というわけではありません。
業者に廃棄物処分を委託した場合も、最後まで廃棄物処理の責任は廃棄物処理業者と排出業者(個人も含む)にあります。
委託した廃棄物を不法投棄されてしまうと、実際に処分していなくても排出業者も罪に問われるため要注意。
具体的に、以下のような罰則を受ける可能性があります。
<不法投棄を行った場合>
5年以下の懲役もしくは1,000万円の罰金、またはこの併科
※法人が業務に関する産業廃棄物を不法投棄した場合には3億円以下の罰金
<不法投棄を目的とした廃棄物の収集運搬をした場合>
3年以下の懲役もしくは300万円の罰金、またはこの併科
<道路に廃棄物を不法投棄して、交通に支障を及ぼす恐れを生じさせた場合>
1年以下の懲役もしくは50万円の罰金
4.不法投棄を防ぐ・見かけた時の対策
最後に、不法投棄を防ぐための対策と、不法投棄している場面を見かけた時の対策をご紹介します。
■人が入りにくい場所の監視体制を構築する
防犯カメラを設置したり、ヘリコプターやドローンで巡回を強化したり、人が見回りにくい場所には機械などを活用しましょう。
■不法投棄しにくいよう環境整備する
例えば、注意喚起する看板を設置すれば不法投棄の抑制に繋がります。
また、外から見晴らしを良くしたり、定期的にパトロールを実施するのも効果的です。
■不法投棄を見かけたら…
廃棄物を不法投棄している場面に出くわした際は、以下のように対応しましょう。
【一般廃棄物の場合】市役所・区役所・町村役場のいずれかに連絡
【産業廃棄物の場合】都道府県もしくは政令市の保健所に連絡
※なお、一般廃棄物か産業廃棄物か判断が難しい場合には、市役所・区役所・町村役場のいずれかに相談するか、環境省の不法投棄ホットラインに連絡・相談してみましょう。
5.産業廃棄物の不法投棄は、災害の発生や環境汚染にも繋がる!
不法投棄とは、廃棄物処理法で定められている処分場以外の場所に廃棄物を投棄すること。
個人にも法人にも関わる問題で、不法投棄は法律で禁止されています。
産業廃棄物が不法投棄されると起こりうる問題は、大きな災害や事故などの原因になるだけではありません。
水質や土壌が汚染してしまう可能性もあり、環境汚染してしまうと原状復帰には多くの時間とお金がかかります。
また、業者に廃棄物の処理を委託する際にも要注意。
廃棄物処理について法律を違反した場合、排出業者・運搬業者・処理業者ともに刑事処分(罰則)の対象となる可能性があります。
不法投棄をなくすため、国や自治体もそれぞれ対策を講じていますが、現状毎年100件以上の不法投棄が発生しています。
もし不法投棄を見つけた際には、直ちに相当する機関へ連絡しましょう。
ちなみに、リダクションテクノでは廃棄物に関する幅広いご相談に対応。
産業廃棄物の処分はもちろん、コスト削減やリサイクルに関するご提案も可能です。
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