コラム
産業廃棄物 2022.04.14
産業廃棄物の一種「廃アルカリ」とは?廃酸との区別の基準や、処分・リサイクル方法などを解説!
廃棄物回収価格適正化業者選定産業廃棄物
産業廃棄物の一種である「廃アルカリ」は、pH(水素イオン濃度)値によって分類が異なるため、取り扱いには注意が必要です。そこでこの記事では、廃アルカリの分類基準や、廃酸との違い、処分・リサイクル方法などについて詳しく解説いたします。廃アルカリの取り扱いに困っている方は必見です!
1.廃アルカリとは?廃酸との区別の基準について
廃アルカリとは産業廃棄物の一種であり、廃ソーダ液や金属せっけん液などといったアルカリ性の廃液を指します。
アルカリ性とは、“pH(水素イオン濃度)”の数値が7よりも高いもののこと。
pH7は中性、pH7より低いものは酸性と区別されます。
つまり、pH7以下の廃液は廃アルカリには該当せず、廃酸として扱われます。
廃アルカリと廃酸はどちらも液状の廃棄物のため区別に迷う方も多いですが、判断に迷ったときにはpH値を基準に区別するようにしましょう。
また、著しい腐食性のあるpH12.5以上の廃アルカリは“特別管理産業廃棄物”に分類されるので要注意。
“特別管理産業廃棄物”は人の健康や生活環境に被害を生じさせる恐れがあることから、通常の産業廃棄物より厳しい規制と処理基準が設けられているので保管・処分には気を付けなければなりません。
参照:特別管理廃棄物とは?種類・該当する品目などについて詳しく解説
2.廃アルカリの種類
具体的に、廃アルカリには以下のようなものが該当します。
■写真現像廃液
■廃硫酸
■廃塩酸
■廃リン酸
上記の他にも、脱脂廃液や洗浄廃液、隔離廃液、染色廃液、廃灰汁なども廃アルカリに分類されます。
3.廃アルカリの処分・リサイクル方法
最後に、廃アルカリの処分方法とリサイクル方法をご紹介します。
廃アルカリは液体であるため、そのまま最終処分場で埋め立て処分されることはありません。
処分方法は大きく分けて、「焼却」「中和処理」「再資源化」のいずれかに分類されます。
3-1.焼却
廃アルカリの主な処分方法は、焼却処理。
ただし、液体状の廃アルカリをそのままの状態で焼却炉に入れると燃焼を妨げてしまう恐れがあるため、焼却炉の中に廃アルカリを霧状に噴射して処分をおこないます。
3-2.中和処理
廃アルカリを中性に近づける、中和処理という方法で処分する場合もあります。
中和処理を行う際には主に酸性の廃酸を混ぜますが、廃酸のみで中性に近づけるのが難しい場合には別の酸を使用することもあります。
ただし、中和処理をおこなうと汚泥や有毒ガスが発生する恐れがあるため、作業する際には細心の注意を払わなければなりません。
もし汚泥が発生した場合には、別途汚泥処理が必要となります。
3-3.再資源化
廃アルカリには、以下のように再資源化する方法もあります。
・廃酸の中和剤として使用する
・冷却化して不純物を取り除き、再利用可能な状態にする
・金属成分の含まれた廃液を中和する際に、沈殿物から金属を回収する
しかし、廃アルカリは産業廃棄物の中でも再生利用率が低く、環境省が令和3年に発表した報告書によると令和元年度に排出された廃アルカリの再生利用率は21%。
今後いかにして比率を上げていくかが課題となっています。
参照:令和2年度事業産業廃棄物排出・処理状況調査報告書(環境省)
4.廃アルカリの区別に悩んだら“pH値”をチェックしましょう!
記事内でもご紹介したように、廃アルカリは廃酸との区別が難しく捨てるときは注意が必要です。
どちらも液状の廃棄物ですが、pH値によって酸性かアルカリ性かが決まります。
廃アルカリを取り扱う際には分別を間違えないように注意しましょう。
「“廃アルカリ”なのか“廃酸”なのか区別がつかない…」
「廃アルカリの処分方法・適正な処理費用がわからない!」
「廃アルカリの取り扱いについて相談したい」
サービス
タグ
- リサイクル
- 環境
- 除菌
- 新型コロナウイルス
- 廃棄物回収
- 使い捨て
- 安心第一
- コンサルティング
- 閉店ごみ問題
- 実地トレーニング
- 有価買取
- 解体費用
- 廃材処理
- 整地
- 価格適正化
- 業者選定
- 低コスト
- 再資源化
- 現場管理
- 緊急
- 業者
- ストレッチフィルム
- ごみ袋
- 再生材ごみ袋
- 環境貢献
- 産業廃棄物
- コンテナBOX
- 2020TDM推進プロジェクト
- LLDPE
- 定期回収
- ルート回収
- 木パレット
- 夜間
- 飛散防止
- 廃棄物
- 輸送貨物事故品
- スプレー缶処理
- 穴あけ作業
- 閉店ごみ
- リニューアル粗大
- 緊急回収
- サーキュラーエコノミー
- ケミカルリサイクル
- マテリアルリサイクル
- サーマルリサイクル
- 輸入食品
- 食品廃棄
- 汚泥
- 建設系廃棄物
- 価格適
- 木くず処分
- 夜間回収
- 不良品
- 在庫品
- グッドデザイン賞
- SDGs
- 廃プラスチック
- 衣類
- 産廃回収
- 医療廃棄物
- バッカン
- 衣服廃棄
- アパレルごみ
- 繊維くず
- 洋服処分
- FUROSHIKI
- ごみ置場
- セメント袋
- がれき類
- レンタル倉庫
- 退去ごみ
- 原状復帰
- トラックターミナル
- Iot
- マニフェスト
- 廃棄物処理法
- 現状回復
- 業態変更
- アパレル
- コンビニごみ
- 機密情報
- 分別
- 食品ロス
- 特定有害産業廃棄物
この記事に関連するコラム
-
産業廃棄物2022.12.13
サーキュラーエコノミーについて徹底解説。企業が取り組むメリットとは?
近年メディアで見かけることが多くなった“サーキュラーエコノミー”というキーワード。 しかし...
-
産業廃棄物2021.11.12
食品廃棄のコストを抑えながら、会社(拠点)としてのリサイクル率をあげよう...
この記事では食品リサイクルについて詳しく解説!食品リサイクルの始め方や処理費用の削減方法など...
-
産業廃棄物2021.05.19
産業廃棄物を収集運搬・処分する際は“マニフェスト”が必要!マニフェストの...
産業廃棄物を排出している事業者様へ向けて、この記事では収集運搬・処分する際に必要となる書類“...
-
産業廃棄物2022.07.11
金属くずの回収を業者に依頼する際の注意点!状態によっては買い取りできない...
「金属くずの回収・買い取りについて詳しく知りたい!」 「思っていたよりも買い取り価格が低く...