コラム

産業廃棄物 2022.04.11

SDGsと産業廃棄物の関係性。廃棄物処理の実例もご紹介

環境再資源化産業廃棄物SDGs

この記事では、産業廃棄物とSDGsの関係性にクローズアップ!SDGsの概要や、日本における産業廃棄物の現状を解説。環境保全のために今できることや、各企業が行っているSDGs関連の廃棄物処理事例について詳しくお伝えします。

1.SDGsとは?

近年メディアでも目にする機会が多くなった“SDGs”というワード。

しかし、中には「SDGsって何か、詳しくは知らない…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、まずはSDGsの概要について解説します。

 

SDGs(エスディージーズ)とは、“Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)”の略称。

社会課題という不明確なものを具体的な17項目に示した国際目標です。

もともと国際社会にて制定されていた「MDGs(ミレニアム開発目標)」に代わって、新たに制定されました。

SDGsは、持続可能な社会を目指すために必要な「17の目標」と「169のターゲット」で構成されています。

 

2.SDGsと産業廃棄物の関係について

SDGsが掲げる17の目標の中には、世界的に深刻化している産業廃棄物問題と関係の深い項目もあります。

 

それは、目標12として掲げている「つくる責任 つかう責任」。

この目標は、持続可能な生産消費形態を確保することをテーマに、11個のターゲットが設けられています。

その中でも、産業廃棄物に関連しているターゲットは以下の通りです。

 

【2】2030 年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

【3】2030 年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。

【4】2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物資やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

【5】2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。

参照:SDGsの目標とターゲット(農林水産省)

 

上記で挙げたように、SDGsが掲げる目標を達成するためには産業廃棄物の問題を解決することが必要不可欠です。

つまり、SDGsと産業廃棄物は密接な関係であるといっても過言ではありません。

 

3.産業廃棄物の現状

続いて、産業廃棄物の現状について解説します。

現在日本では、以下のような問題が生じています。

 

■最終処分場の利用状況が逼迫

環境省が発表した2019年における産業廃棄物の最終処分量は、なんと916万トン!

前年度は913万トンだったのに対し、約3万トンも増加しました。

近年では環境保全に対する意識も高まりリサイクルなどが積極的に行われているものの、日本国内における最終処分場の利用状況は年々逼迫しています。

そのため、今後は産業廃棄物の総排出量の抑制により積極的に取り組んでいかなければなりません。

参照;産業廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度実績)について(環境省)

 

■毎年膨大な量の食品ロスが発生

食品ロスとは、食べ残し・売れ残り・賞味期限切れなどによりまだ食べられる食品を廃棄してしまうことで、現在世界的に問題視されています。

2021年11月に農林水産省及び環境省が発表した2019年度の日本での食品ロス量は、なんと570万トン!

前年度の600万トンと比べると30万トン減量しましたが、それでも大量であることには変わりありません。

消費者庁の見解では、食品ロスの問題を解決するためには、企業側の努力だけでなく消費者側の意識改革なども必要であると示しています。

参照:食品ロスとは(農林水産省)

 

4.SDGs目標12の達成へ向けて、いまできること

SDGsが掲げる目標12を達成するためには、企業側にも消費者側にも行えることがたくさんあります。

 

例えば、「3R」を徹底すること。

「3R」とは、Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)の総称で、各個人が日常生活において下記を徹底することでごみ問題の解決を目指すことができます。

 

<Reduce>

【企業】簡易包装・梱包を意識する・値引き販売して売れ残りを減らす

【消費者】無駄なものや必要ないものを買わない・過剰包装を断る   …etc

 

<Reuse>

【企業】商品企画時に、使い捨てではないタイプの容器を採用する

【消費者】使い捨てではなく、ボトルや容器に詰め替えできる商品を選ぶ …etc

 

<Recycle>

【企業】製造過程で排出された廃棄物を正確に分別し、正しく管理・廃棄する

【消費者】ルールに従いゴミを分別する・積極的にリサイクル製品を購入する…etc

 

目標12を達成するためには、企業側が努力するだけでなく、個人が生活を見直すことも大切なポイントとなります。

 

5.SDGs関連の廃棄物処理事例

最後に、各企業が行っているSDGs関連の廃棄物処理事例をいくつかご紹介します。

 

5-1.株式会社メルカリ

フリマアプリ「メルカリ」では“Stay Home & Share Smilesプロジェクト”という取り組みを実施。

ユーザーが自宅にある不用品を出品すると、出品したアイテム1個につき10円を新型コロナウイルス感染症に係る支援策に取り組む団体へ寄付し、社会貢献と廃棄物発生の抑制に繋げました。

参照:Stay Home & Share Smiles」寄付プロジェクトのご報告とお礼(メルカリ)

 

5-2.サントリー

飲料メーカー「サントリー」では、使用済みペットボトルから再度ペットボトルを作る取り組みを日本で初めて確立。

さらに、2030年には全ペットボトル製品をリサイクル素材や植物由来の素材のみで作ることを目標としています。

参照:【SDGsとは?】目標12「つくる責任 つかう責任」と私たちにできることを、グラレコっぽく解説!(SUNTORY)

 

5-3.株式会社エアクローゼット

対象ブランドの古着を店頭で回収し、最後まで活かすプロジェクト「shareCloset(シェアクローゼット)」を実施。

回収した洋服を状態によってシェアリングまたはリサイクルし、一般消費者に届ける仕組みとなっています。

参照:shareCloset(株式会社エアクローゼット)

 

6.現在は、環境保全に向けた取り組みも企業評価につながる時代

近年では環境問題への関心が世界的に高まり、循環型社会に向けた環境配慮が重視され、環境保全に向けた企業の取り組みが評価につながる時代です。

これからはより環境への取り組みが企業としてのイメージに大きく関わっていくことでしょう。

 

また、記事内でもご紹介したようにSDGsを達成するためには、企業・消費者ともに目標12「つくる責任 つかう責任」と産業廃棄物の関係性を理解した上で、行動を起こすことが大切です。

 

ちなみに、弊社・リダクションテクノでは処理するだけでなくリサイクルや再資源化など様々な選択肢をご用意。

廃棄物処理とリサイクルを合わせて行うことで、環境に配慮しながらコスト削減ができるようご提案しています。

 

その他にも廃棄物に関する様々なご相談にも承っておりますので、廃棄物処理にお困りの方はぜひリダクションテクノへご相談ください!

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