コラム
産業廃棄物 2022.01.24
衣料廃棄について。アパレル業界の課題や分別方法を徹底解説
リサイクル環境再資源化廃棄物アパレル
近年、世界中で深刻化しつつある“衣料廃棄”。衣料廃棄は地球環境に影響を及ぼすだけでなく、在庫ロスにより利益が圧迫する恐れもあるとして、アパレル・ファッション業界で問題視されています。 この記事ではそんな“衣料廃棄”の現状や原因を詳しく解説。併せて、アパレル・ファッション業界が抱えている衣料廃棄に関する課題もご紹介します。
1.世界的に問題視されている“衣料廃棄”
地球環境保全へ向けた積極的な取り組みが求められている現代。
そんな中、近年特に問題となっているのが“衣料廃棄”です。
廃棄といえば賞味期限切れの食べ物や食べ残しなどの「食品廃棄」がイメージされやすいですが、実は衣料廃棄の問題も年々深刻化しています。
衣料廃棄問題の大きな要因とされているのは、ファッション産業における経済構造の変化です。
ファッション産業は『大量生産→大量消費→大量廃棄』の経済構造に該当する業種で、これまでも流行が過ぎた洋服は大量に廃棄され、問題視されていました。
しかし、最近ではファッションに対する消費者の意識が変化。
少し前までは流行が重視されていましたが、「流行よりも長く愛用できるものを選びたい」という意識に変わり、高品質の洋服が選ばれるようになりました。
そのため近年では『大量消費』が抜け『大量生産→大量廃棄』という経済構造になり、衣料廃棄問題が深刻化しているのです。
2.衣料廃棄物は、大きく2つに分類される
続いて、衣料廃棄物の2つの分類についてご紹介します。
1つ目は、衣料品を製造する過程で発生する繊維くず。
繊維くずは産業廃棄物20品目の中の1つにあたりますが、排出する業種や事業内容によって「産業廃棄物」か「一般廃棄物」かが異なるため、気を付けなければなりません。
繊維くずを「産業廃棄物」として扱わないといけない業種は、建設業と繊維工業。
この2つの業種以外から排出された繊維くずは、事業系一般廃棄物として扱われるので注意しましょう。
2つ目は、繊維が衣料品となった状態で消費者が購入し、不要となり捨てられる衣料廃棄物。
一般家庭から排出された衣料廃棄物は「一般廃棄物」に分類されます。
参照:「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の違いとは。特に間違いやすい産廃物の種類も解説
3.衣料廃棄の課題
衣料廃棄を防ぐために『大量生産→大量消費→大量廃棄』という経済構造を変える必要がある中で、ファッション・アパレル業界ならではの解決しなければならない課題があります。
3-1.再流通に消極的
ブランドイメージや価値が重視されるファッション・アパレル業界は、再流通に消極的です。
例えば安価にブランドの洋服が市場に再流通してしまうと、ブランドイメージ低下や、ブランド価値の毀損に繋がる恐れがあります。
3-2.流行の影響
ファッション・アパレル業界は流行に左右される業界。
流行が過ぎてしまうと、大量に生産した商品が売れ残ってしまいます。
「大量に入荷しなければいいのに…」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、店頭などでの品切れを避けるためにある程度の在庫が必要なのです。
4.その他の問題
衣料廃棄は地球環境への影響のほか、利益や保管スペースの圧迫など様々な問題を抱えています。
■焼却による環境への影響
売れ残ってしまった衣料品や不要となった衣料品を廃棄する主な手段は焼却処分です。
しかし、焼却処分はCO2を排出するため、地球温暖化を加速させ環境に悪影響を及ぼします。
■在庫ロスによる利益の圧迫
在庫が売れ残ってしまい廃棄処分に回した場合、利益は残りません。
値引きなどで工夫を凝らしても、流行には消費期限があるため大量に衣料品を廃棄するケースがあります。
■保管し続けることによるスペース圧迫
衣料品は在庫を保管し続けるにもコストがかかり、倉庫のスペースを圧迫します。
そのため、やむを得ず在庫を廃棄するケースも多いです。
5.環境保全のために、いま私たちができること
近年では環境問題への関心が世界的に高まっていることもあり、様々な「○○廃棄」が問題視されています。
ファッション・アパレル業界も例外ではなく、衣料廃棄・衣服ロスなどの問題が注目されています。
私たちが住む地球環境を守るため、今後はゴミを減らす努力だけでなく、増やさない努力も必要です。
弊社・リダクションテクノでは、廃棄物処理だけでなくリサイクルやコストに関するご相談にも対応。
廃棄物処理とリサイクルを合わせて行うことで、環境に配慮しながらコスト削減できるようご提案しています。
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