コラム
産業廃棄物 2020.07.08
産業廃棄物の処分をする際に欠かせない“産業廃棄物収集運搬業許可”とは
リサイクル廃棄物回収安心第一業者選定産業廃棄物
産業廃棄物を処分する際に欠かせない“産業廃棄物収集運搬業許可”。廃棄物処理というと処理方法に着目されがちですが、収集・運搬するのにも許可が要ります。もし許可を得ていない業者に依頼してしまった場合、依頼主である排出事業者にも罰金や懲役刑を科されるので注意が必要です。 そこで今回は、産業廃棄物収集運搬許可について解説。基本的な知識から、特別管理産業廃棄物運搬許可証との違い、許可証取得時の要件などについて説明します。
1.産業廃棄物収集運搬業許可とは?
そもそも“産業廃棄物収集運搬業許可”とは、委託を受けて産業廃棄物を運搬する場合に必要となる許可のこと。産業廃棄物を運搬できるのは、この許可を得ている業者のみと法律で定められています。
しかし、収集・運搬業を行っている業者が全て許可を得ているというわけではありません。講習会を受講するなどいくつかの取得条件を満たしている業者のみ、各地方自治体から許可証を発行してもらえます。
もし産業廃棄物収集運搬許可を得ていない業者に委託してしまった場合は、依頼主である排出事業者が5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、あるいは両方を科されます。
「無許可だとは知らなかった!」では済まされないので、産業廃棄物の収集・運搬を依頼する際はちゃんと許可を得ている業者かどうか確認することが必要不可欠です。
2.特別管理産業廃棄物収集運搬業許可証について
ひとくちに産業廃棄物と言っても、種類は様々。中には取り扱いに細心の注意を払わなければならない“特別管理産業廃棄物”というものもあります。
“特別管理産業廃棄物”に当てはまるのは、主に爆発性や毒性、感染性のある危険性の高い産業廃棄物です。排出地から処理が完了するまでしっかりと管理しなければならない廃棄物を指します。
危険性が高いことから“特別管理産業廃棄物”は処理業者の許可も別途区分されおり、前項でご紹介した産業廃棄物収集運搬業許可とは別に許可が必要となります。
そのため、“特別管理産業廃棄物”の収集・運搬を依頼する際には、『特別管理産業廃棄物運搬業許可証』を持っている業者に依頼しなければなりません。
もし『特別管理産業廃棄物運搬業許可証』を持たない業者に依頼してしまった場合、前項でご紹介した事例と同じように、依頼主である排出事業者が5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、あるいはその両方を科されます。
産業廃棄物の収集・運搬を依頼する際は、廃棄物の種類もきちんと確認しておきましょう。
3.積み地と降ろし地の両方の許可証が必要?
ここまで解説してきた産業廃棄物収集運搬業許可と特別管理産業廃棄物運搬業許可は、各自治体によって許可証が発行されます。
そのため、もし荷積地と荷降ろし地の都道府県が異なる場合には、両方の自治体から許可を取らなければなりません。
例えばA県で産業廃棄物を積み込み、B県で産業廃棄物を荷下ろしした場合にはA県とB県両方の許可が必要です。
自治体の許可が必要となるのは荷積地と荷降ろし地のみ。そのため、「A県で積み込み→B県を通過→C県で産業廃棄物を荷下ろし」といった場合にはA県とC県の許可のみ必要となり、通過するB県の許可は必要ありません。
廃棄物の積み込み場所と荷下ろし場所が離れている場合には、両方の自治体の許可を得ているか業者に事前に確認しておきましょう。
4.許可取得時の要件
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する際には、以下の要件を満たしていなければなりません。
4-1.講習会の受講が修了していること
産業廃棄物収集運搬業の許可申請を行うには、公益社団法人産業廃棄物協会による講習会を受講し、修了証を提出する必要があります。
4-2.経理的基礎があること
例えば、債務が超過状態であったり、持続的な経営の見込みがない場合には許可を取得することができません。産業廃棄物の収集運搬を継続的に行なえる経営状態かどうかも許可を取得する上で欠かせないポイントとなります。
4-3.事業計画を整えていること
事業量に応じて、施設や人員などの体制を整えているかどうかも許可を得る上で重要な基準となります。例えば産業廃棄物の予定運搬量や運搬先、運搬方法などを記載した事業計画書として作成する必要があります。
4-4.運搬施設があること
運搬施設とはトラックや駐車場のこと。許可を得るためには、運搬車両や保管場所を継続的に使用できる権利がなければなりません。産業廃棄物の飛散・流出による悪臭が漏れる恐れのない運搬車両・容器を使用しているかどうかをチェックされます。
4-5.欠格事由に該当しないこと
許可を取得するためには、欠格事由に該当しないことも重要です。
欠格事由とは、事業を継続するのに人格や能力が適切であるかどうかを判断する基準のこと。法人の場合は代表取締役だけでなく、役員や法定代理人、5%以上の株主なども対象となります。
具体的な欠格事由は以下の通りです。
・成年被後見人もしくは被保佐人、破産者で復権を得ない者
・禁固以上の刑を受けてから5年を経過していない者
・廃棄物処理法、浄化槽法等の法律に違反し、罰金以上の刑の処罰を受けてから5年を経過しない者
・暴力団員の構成員である者(暴力団を辞めてから5年を経過していない者を含む)
・業務に対し、不正または不誠実な行為をする恐れがあると認めるに足りる相当の理由がある者
許可を受けた後、以上の事由に該当してしまった場合には許可が取り消しとなります。
上記の5つの要件を満たさず許可を得ていない業者は、不法なやり方で収集・運搬を行っている悪質な業者である可能性が高いです。不法な業者に産業廃棄物を収集・運搬を依頼した場合、後々依頼主である排出事業者にも責任が問われますので業者選びには気を付けましょう。
また、許可を取得しているかどうかを確認するには、業者に問い合わせて許可証の写しを提示してもらいましょう。その際、有効期限の確認も忘れずに。悪質な業者の場合、許可証を偽造している場合もあるため注意が必要です。
5.許可を得ていないとトラブルに!業者選びには気を付けよう
記事内でもご紹介したように、許可を得ていない業者へ収集・運搬を委託した場合には依頼主である排出事業者が懲役刑や罰金刑に科されます。
例え費用が安くても、後々無許可業者であることが発覚した場合には罰金が科せられ最終的に出費が嵩んでしまった、なんてことにもなりかねません。
業者選びの際には価格面だけでなく、きちんと許可を取得しているかなども確認しましょう。
ちなみに、当社は産業廃棄物収集運搬業許可も特別管理産業廃棄物運搬業許可も両方得ていますので、安心してお任せいただけます。
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