コラム
産業廃棄物 2023.07.18
循環型社会形成推進基本法について徹底解説!私たちにいまできることとは?
リサイクル環境廃棄物回収再資源化産業廃棄物
この記事では、2000年に制定された循環型社会形成推進基本法についてクローズアップ。 同法律の概要や制定に至った経緯、循環型社会の形成に向けて指針となっている“第四次循環型社会形成推進基本計画”の解説と併せて、循環型社会の形成のため私たちにいまできることもご紹介します。
1.循環型社会形成推進基本法とは?
SDGsなどサステナブルな活動への注目が高まっている中、特に循環型社会の形成の取り組みが活発化しています。
その1つが2000年に制定された“循環型社会形成推進基本法”です。
そもそも循環型社会とは、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会のこと。
別名・循環基本法とも呼ばれている同法律は、昨今の廃棄物問題が起因となり制定された法律です。
廃棄物処理法の改正、容器包装リサイクル法・家電リサイクル法の拡充などがあります。
世界的に環境保全が問題視される中、日本でも近年は様々なリサイクル対策が実施されてきました。
しかし、近年ごみ処理場所の利用逼迫・不足や、不法投棄の問題がより顕在化してきています。
持続可能な社会を形成するためには、ごみ処理と資源化の2軸を総合的に捉える取り組みが必要と考え、循環型社会形成推進基本法が制定されました。
同法律で定義している、循環型社会のポイントは以下の3つ。
①廃棄物等の発生抑制
②循環資源の循環的な利用
③適正な処分が確保されることで、環境負荷が可能な限り低減される社会
上記の条件を満たすことで、循環型社会を形成できると考えられています。
これまでも循環基本法に基づいて容器包装リサイクル法や家電リサイクル法などの取り組みがスタートしてきました。
2023年となる現在は、次の項目で解説する“第四次循環型社会形成推進基本計画”の政策に沿って環境的側面、経済的側面、社会的側面の統合的向上を目指しています。
2.第四次循環型社会形成推進基本計画の概要
現在循環型社会の形成に向けて指針となっている、第四次循環型社会形成推進基本計画の概要をご紹介します。
第四次循環型社会形成推進基本計画は、平成30年に閣議決定された取り組みです。
同計画では、次の8つの課題が挙げられています。
①不確実性を増す世界と国際協調の進展
②我が国における人口減少・少子高齢化の進展と地域の衰退
③日本経済の長期停滞とSociety5.0
④我が国の循環型社会形成の進展と近年の状況
⑤原発事故により放出された放射性物質による環境汚染からの再生と復興
⑥大規模災害の頻発と対策の遅れ
⑦国民の意識の変化
⑧資源循環及び適正処理の担い手の確保
上記8つの課題をもとに、同計画は2025年度における数値目標を設定。
少ない資源でどれだけ豊かさを生み出しているかを表す資源生産性は約49万円/t(2000年度の約2倍)を目指しています。
3.私たちが求められていること・できること
最後に、循環型社会の形成に向けて私たちがいま求められていることと、できることをご紹介します。
冒頭でもご紹介したように、循環型社会を形成するためには、循環型社会形成推進基本法で定義している3つのポイントを守ることです。
■廃棄物の発生そのものを抑制する
■循環資源を循環利用する
■廃棄物を適正に処分する
また、循環型社会を形成するためには、電子マニフェストの導入も必要とされています。
そもそもマニフェストとは、産業廃棄物を収集運搬・処分する際に使う産業廃棄物管理票のこと。
産業廃棄物が適切に収集運搬・処分されたかを確認するための書類で、排出事業者にはマニフェストの交付が法律で義務付けられています。
マニフェストには“紙”と“電子”の2つの種類がありますが、電子マニフェストは情報を電子化して、排出事業者・収集運搬業者・処分業者が情報処理センターを介したネットワーク上でやり取りすることが可能です。
書類が何枚も必要な紙のマニフェストと異なり、電子マニフェストは産業廃棄物に関する全ての情報を一元管理できるため、循環資源の循環率を把握しやすいのが魅力です。
電子マニフェストを導入すれば、高効率での循環の方法を考えていくきっかけとなるだけでなく、虚偽記載や不適正な処理を未然に防ぐ抑止力となることでしょう。
【こちらの記事も合わせてご覧ください】
マニフェストが不要なケースとは?産業廃棄物を収集運搬・処分する際の注意点
マニフェストはなぜ必要?産業廃棄物を取り扱っている企業は必見!
4.循環型社会を形成するためには、電子マニフェストの導入も効果的
ご紹介したように循環型社会形成推進基本法は、循環型社会の形成を総合的・計画的に進めるための政策です。
現在は、第四次循環型社会形成推進基本計画にて8つの課題が掲げられており、様々な目標が設定されています。
循環型社会を形成するためには、廃棄物の発生そのものを抑制することや、循環資源の循環利用、適正な処分の他、電子マニフェストの導入もスムーズな履行のために必要です。
電子マニフェストを導入していないという企業様は、ぜひこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか?
ちなみに、リダクションテクノでは廃棄物に関する幅広いご相談に対応しています。
電子マニフェストの導入やリサイクル、廃棄物処理のコスト削減に関するお問い合わせにも応じております。
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