コラム

2021.04.22

循環型物流の必要性。循環型社会・経済の実現に向けて今できることとは

この記事では、環境問題が深刻化している今私たちが目指すべき「循環型社会・経済」について解説。目指すべき理由や重要性、取り組むべき3Rや静脈物流システムの構築などについて詳しくご紹介します。

1.「循環型社会」とは

環境汚染が深刻化し、世界的に様々な対策が行われている現代。

これから私たちは、未来の環境保全のために「循環型社会」の形成を目指していかなくてはなりません。

 

「循環型社会」とは、3Rなどにより有限である資源を効率的に循環させ、持続可能な形で利用していく社会のこと。

その形成のためには静脈物流システムを構築する取り組みが必要です。

 

2.「3R」とは

まず、「3R」について解説します。

 

「3R」とは、Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)の総称。

それぞれの単語の意味と求められる取り組みは以下の通りです。

 

・<Reduce>無駄にゴミを出さない

必要ない物は買わない・過剰包装を断る・食品を無駄にしない…etc

 

・<Reuse>何度も繰り返し使用する

不用品は知り合いに譲る・詰め替えできるボトルや容器を使用する…etc

 

・<Recycle>ゴミをリサイクルする

市区町村のルールに従いゴミを分別する・積極的にリサイクル製品を購入する…etc

 

「3R」は、今日から誰でも始められます。

循環型社会の実現のために、私たち一人ひとりが3Rを意識して日常生活を送ることが重要です。

 

3.循環型社会の実現へ。静脈物流システムの構築

また、「循環型社会・経済」を実現するためには“静脈物流システム”の構築も欠かせません。

 

“静脈物流(じょうみゃくぶつりゅう)”とは、消費者側から生産者側へと向かう物流のこと。物流用語の一つで、人間の血液循環になぞらえた言葉です。

生産者側から消費者側へ向かう“動脈物流”とは逆方向の物流を指します。

 

もともと静脈物流という言葉は、1980年代まで損傷や期限切れなどにより製品が消費者から生産者側へ流れる意味として使われていました。

しかし、環境問題への意識が高まってきた近年では、廃棄物に関する物流だけでなく不要品・副産物などの再利用、再販、再資源化等に関する物流も“静脈物流”に含まれるようになりました。

 

4.静脈物流の分類

静脈物流は、主に「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2つに対する物流です。

 

■一般廃棄物

一般家庭から排出される廃棄物。

物流は自治体が管理しており、廃棄物収集業者の選定やオペレーションを一括して行います。

 

■産業廃棄物

店舗や企業から排出される廃棄物。

各店舗・企業が個々に業者と契約を結ぶ必要があります。

複数店舗展開している場合に、それぞれの店舗が業者を手配することにより非効率な収集になってしまうこともあります。

 

上記でもご紹介したように、現在日本では静脈物流の分類によって仕組みが複雑化しているという課題を抱えています。

 

5.静脈物流の種類

ちなみに、ひとくちに静脈物流といっても方法は様々。

“消費者側から生産者側に向かう物流”という意味合いは共通していますが、対象となる廃棄物や流れはそれぞれ異なります。

 

5-1.回収物流

消費者の使用済製品や不用品を回収する物流。パレットや資材、什器など多種多様なリサイクル対象品を回収する流れを指します。

 

5-2.返品物流

商品の返品に関する物流。誤発注や商品の不良などによって商品を返品する流れを指します。

 

5-3.廃棄物流

輸送や販売などに伴って生じた産業廃棄物を、廃棄物として適切に処理するための流れ(輸送)を指します。

 

参照:静脈物流の可能性とは。静脈物流と動脈物流の違いや各企業が行っている事例について解説!

6.「循環型社会・経済」の実現に向けて、既にサービスを展開している企業も!

世界的に環境汚染が問題視されている現代。

静脈物流は、「循環型社会・経済」の実現に向けてますます重要度が高まることでしょう。

 

ちなみに、既に静脈物流に関するサービスを展開している企業も数多くあります。

使用済みパソコンや小型家電などの廃棄物を宅配便を活用して回収する“宅配回収ビジネス”や、洋服や靴などを家で試着し返品できる“お試しサービス”などといった取り組みが行われています。

 

上記のようなサービスを行い「循環型社会・経済」の実現に向けて動き始めることは、環境破壊を食い止めるだけでなく企業イメージに深く関わる可能性も。

これまで産業社会においては主に“動脈物流”に重きをおいてきましたが、今後は限りある資源を再利用・再資源化していく“静脈物流”にも取り組み、「循環型社会・経済」を形成していくことが必要不可欠になると考えられます。

 

特に近年は環境に関する法規制や、世間の環境に対する関心の高まりにより、業界を問わず様々な企業がサステナブルな取り組みを積極的に実施しています。そのため、今後はより“静脈物流”の重要性が注目されることになるでしょう。

 

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