コラム
産業廃棄物 2020.11.06
産業廃棄物の収集運搬は誰に委託できる?“運送業”と“産業廃棄物収集運搬業”の違いや業者選びのポイント
廃棄物回収価格適正化業者選定産業廃棄物廃棄物
産業廃棄物の収集運搬を業者に委託する際の注意点について徹底解説! 収集運搬を委託できる業者や、“運送業”と“産業廃棄物収集運搬業”の違い・定義、許可証を持っていない業者に依頼してしまった際のリスクも詳しくご紹介します。 産業廃棄物を排出している事業者や、収集運搬業者選びに悩んでいる方は必見です!
1.自ら処理せず、産業廃棄物の収集運搬を委託する際の注意点
事業活動に伴い排出された産業廃棄物の収集運搬方法は、主に以下の2つ。
排出事業者自ら処理場まで収集運搬するか、業者へ収集運搬を委託するかのどちらかです。
業者に収集運搬を委託すれば手間を省くことができますが、業者選びや委託時の契約締結には注意が必要です。
産業廃棄物の排出事業者は委託基準に基づき、以下のポイントを守らなくてはなりません。
■産業廃棄物収集運搬業の許可を得ている運搬業者及び処分業者に依頼する
■業者とは事前にそれぞれ委託契約書を取り交わす
■委託契約書は業務が終了した日から5年間保管しなければならない
また、産業廃棄物の収集運搬を行う車両についても、法律により次のような規則が設けられています。
■産業廃棄物収集運搬車には 以下の内容を記した車両表示をしなければならない
・産業廃棄物を収集運搬していること
・業者名
・産業廃棄物収集運搬業の許可番号(下6桁以上)
■ 委託された車両は以下の書類を携帯しなければならない
・許可証の写し(原本とサイズが異なるものでもOK)
・産業廃棄物管理表(マニフェスト) ※電子マニフェストの場合は電子機器やデータで確認が取れる状態にしておく
業者が上記の車両表示や書類携帯を怠っていた場合には、廃棄物処理法違反として行政命令の対象となり、処理を委託した排出事業者にも責任が問われます。
例え自ら産業廃棄物を収集運搬していなくても、排出事業者には改善命令が、産業廃棄物処理業者には営業停止処分が言い渡されるため要注意しましょう。
行政命令に違反した場合には刑事罰が科されるため、業者選びには気を付けましょう。
2.“貨物”と“産業廃棄物”の違いとは?
続いて、貨物と産業廃棄物の違いについて解説します。
業者を利用してモノを別の場所に移動させたいとき、モノの区分によって依頼できる業者は異なります。
貨物は運送業に、産業廃棄物は産業廃棄物収集運搬業にのみ収集運搬を依頼することが可能です。
このように貨物と産業廃棄物では収集運搬を委託できる業者が異なりますが、実は貨物に関しては法令で明確な定義が定められていません。
ただし、産業廃棄物は“事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物”と廃棄物処理法にて定義づけられています。
貨物は生活に必要なもの、産業廃棄物は生活に不要なものと覚えておくと分別にも困らないでしょう。
3.運送業の定義
前項にて貨物の収集運搬は運送業に委託しなければならないと解説しましたが、「運送業って具体的にどんな事業のこと?」と疑問に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
運送業とは、運賃・手数料をもらい、貨物や旅客の輸送をする事業を指します。
ただし、ひとくちに運送業といっても種類は様々です。
トラックなど陸上の輸送機関を使って貨物を運ぶ陸上運送業だけでなく、船を使う海上運送業や、航空機を使う航空運送もすべて運送業です。
業種によりそれぞれ定義は異なりますが、私たちの生活に馴染み深い陸上運送業の定義は“他人の需要に応じて、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業”と、貨物自動車運送法という法律にて定められています。
なお、運送業は運送業許可を得ている業者で、貨物や旅客を輸送する事業であり、廃棄物の収集運搬は行えません。
4.産業廃棄物収集運搬業の定義
次に解説するのは、産業廃棄物収集運搬業についてです。
産業廃棄物収集運搬業とは、運賃・手数料をもらい、産業廃棄物を運ぶ事業です。
前項にて解説した運送業の定義は貨物自動車運送法という法律が根拠となっていましたが、産業廃棄物収集運搬業は廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称:廃掃法)が根拠となります。
産業廃棄物を収集運搬できるのは、産業廃棄物収集運搬業許可証を取得している業者のみです。
産業廃棄物は環境や人体に与える悪影響が大きく不法投棄されてしまうと人命に危険を及ぼす事態に発展してしまう恐れもあるため、許可を取得している業者しか収集・運搬作業はできません。
産業廃棄物収集運搬業は“産業廃棄物収集運搬業”と“特別管理産業廃棄物収集運搬業”の2つに区分されています。
特別管理廃棄物とは、“爆発性・毒性・感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずる恐れのある性状を有する廃棄物”です。
通常の産業廃棄物より、さらに厳しい規制と処理基準が設けられているため、産業廃棄物収集運搬業の許可のみを取得している業者では特別管理産業廃棄物の収集運搬はできません。
ただし、産業廃棄物収集運搬業と特別管理産業廃棄物収集運搬業のいずれにも共通していえることは、どちらも産業廃棄物を運ぶことを目的としているということです。
産業廃棄物収集運搬業は、運送業のように運賃や手数料をもらって貨物を運ぶことはできません。
5.業種を誤って依頼をしてしまったときのリスク
ここまで解説してきたことを簡単にまとめると、以下の通りになります。
・運送業は貨物を運ぶ事業で、廃棄物は運べない
・産業廃棄物収集運搬業は産業廃棄物を運ぶ事業で、貨物は運べない
業者に収集運搬を依頼する際は、まず貨物と廃棄物のどちらの区分に該当するのかを確認する必要があります。
産業廃棄物の収集運搬を委託する場合、もし産業廃棄物収集運搬業許可証を得ていない業者に産業廃棄物の運搬を委託してしまうと、依頼主である排出事業者に5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、あるいは両方を科されます。
「許可を得ている業者に委託しなければならないなんて知らなかった…!」では済まされないことなので、業者選びには注意しましょう。
6.トラブルを未然に防ぐ!業者選びのポイント
このようなトラブルを予防するためにも、以下の内容をチェックしましょう。
6-1.産業廃棄物収集運搬業の許可を受けている?
まずは、産業廃棄物収集運搬業の許可を受けているか確認しましょう。
冒頭でも解説したように、産業廃棄物の収集運搬は許可を得ている業者にしか委託できません。
もし無許可の業者へ廃棄物処理を委託してしまった場合には、罰則が科されます。
また、産業廃棄物の収集運搬を行う車両の表示や書類携帯を怠っていないかどうかもチェックが必要です。
6-2.廃棄物処理のフローは明確化されている?
委託した廃棄物が、どのようなフローで処理されるか確認することも大切です。
廃棄物は法に則って正しい方法で処理しないと、業者に依頼した側である排出元も罰則を受けることになります。
「安いから」「すぐ対応してくれるから」といった安易な理由だけで業者を選ぶのは避けましょう。
処理施設を現地確認したり、委託後に処理施設を訪問して適切に処理されていることを確認しておくとより安心です。
6-3.担当者・従業員の対応は適切?
契約前には身だしなみや言葉遣いなどといった廃棄物処理業者の担当者や従業員の対応が適切であるかどうかの確認も忘れずにしましょう。
廃棄物収集の際に敷地内・建物内に出入りする業者の担当者・従業員の態度が悪いと、依頼者や近隣の企業とのトラブルが発生してしまう恐れもあります。
6-4.何かクレーム等があった際に連絡がつく?
不足の事態に備えて、業者の連絡先を確認しておくことも重要なポイントです。
トラブル発生後に「業者と連絡がとれない…!」なんてことにならないよう、HPなどに記載されている電話番号が使われているかや、問い合わせメールなどに迅速に対応してもらえるかもチェックしましょう。
6-5.金額・回収日時等は契約前に確認を!
「思ったより費用が嵩んでしまった」「スケジュールが押してしまった」なんて事態を防ぐためには、廃棄物処理にかかる金額や、回収日時等は必ず契約前に確認しておく必要があります。
具体的な作業内容やスケジュール、費用についてはもちろん、後ほど追加料金が発生する可能性はあるのかも確認しておくと安心です。
7.産業廃棄物の収集運搬はリダクションテクノまでご相談ください!
ご紹介したように、収集運搬するモノによって依頼できる業者は異なるため、分別や業者選びには気を付けましょう。
ちなみに、リダクションテクノでは東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県にてそれぞれ「産業廃棄物収集運搬業許可証」を取得しているので、安心してお任せいただけます。
多様な処理ネットワークを駆使できるため、通常は難しいといわれる案件にも対応が可能です。
夜間作業や、都市部現場での収集運搬にも応じています。
加えて、お見積りから回収完了まで短期間かつ適正コストでお客様のご要望にお応えできるのもリダクションテクノの強みの一つです。
回収前には必ず現地調査・ヒアリングを行い、事前にお見積りを提示していますので適正な価格での回収が可能です。
その他にも、定期回収だけでなく、お客様のタイミングに合わせたスポット回収にも対応していますので、産業廃棄物の収集・運搬に関してお悩みの方はぜひリダクションテクノへご相談ください。
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