コラム
産業廃棄物 2020.07.08
廃棄物処理法とは?知っておきたい基礎的な知識・行政の許認可について
リサイクル廃棄物回収安心第一業者選定産業廃棄物
日本では、排出物の処理・清掃に関して“廃棄物処理法”という法律が定められています。この廃棄物処理法に違反する行為を行うと、実際に処理を担当する業者だけでなく、依頼主である排出事業者も罰金や懲役刑に科される場合もあるので、廃棄物の処理を依頼する際には依頼主もある程度知識を身に着けておくことが必要不可欠です。 そこで、この記事では廃棄物処理法に関する基礎的な知識について詳しく解説。廃棄物処理法における行政の許認可などについても説明します!
1.廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)とは
現在、日本では「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、廃棄物処理法)によって、廃棄物を処理する際の方法や手続きなどに関することが定められています。廃棄物を処理する際は法律に則った適切な方法で処理しなければなりません。
例えば、不法投棄や焼却施設以外の場所での焼却といった処理方法に関する行為や、無許可業者への委託やマニフェストの不交付などといった違反行為を行うと罰金や懲役刑に科されます。
罰則を受ける対象となるのは、実際に処理を行っている業者だけではありません。場合によっては、依頼主である排出事業者も罰金や懲役刑に科されることもあります。
そのため、業者だけでなく依頼主も廃棄物処理法の知識をある程度身に着けておく必要があるのです。
2.廃棄物処理法の歴史・背景について
そもそも廃棄物処理法とは、廃棄物の排出抑制とリサイクルの処理適正化にあたり、生活環境の安全と公衆衛生の向上を目的とした法律のこと。環境を守ることはもちろん、産業を支えることにも繋がります。
廃棄物処理法が交付されたのは、昭和45年12月25日。もともと日本では廃棄物の処理に関して清掃法(昭和29年法律第72号)という法律がありましたが、これを全面改正及び廃止する形で廃棄物処理法が成立しました。
廃棄物処理法は、成立後にも何回も改定が行なわれてきました。改正の度に、産業廃棄物を運搬する際にマニフェストを交付することを義務付けたり、不法投棄の罰則を強化したりと規定を追加。そして、近年では廃棄物の処理を依頼する排出者の責任が次第に重くなっている傾向にあります。
3.廃棄物の定義
続いて、廃棄物の定義について解説します。
廃棄物とは、廃棄物処理法第2条第1項にて“ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚泥又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染されたものを除く。)”と定義されています。
しかし、ひとくちに廃棄物といっても種類は様々。例えば資源性があるものなどを廃棄物とするか否かが曖昧でした。
そこで、昭和52年、廃棄物に対する定義が定められました。
廃棄物処理法において廃棄物として判断されるのは、“占有者が自ら利用し、他人に有償で売却できないため不要になったもの”。客観的に判断するのではなく、物の性状や占有者の意志などを総合的に勘案し判断することとなりました。
平成25年には環境省から出された行政処分の指針についての通知にて、廃棄物とみなすかどうかの判断ポイントが示されています。
判断基準となるポイントは「物の性状」「排出の状況」「通常の取扱い形態」「取引価値の有無」「占有者の意志」の5つ。現在はこの5つの要素とプラスαを勘案して、廃棄物であるか有価物であるかが判断されます。
ポイントに沿って廃棄物と判断されたものは、主に一般廃棄物と産業廃棄物に分かれます。
一般廃棄物とは家庭のゴミなどを指し、産業廃棄物は事業活動に伴って生じた廃棄物を指します。さらに産業廃棄物は20種類に分かれており、廃棄物を処理するには種類毎に許可が必要です。
また、産業廃棄物の中には特に注意して扱わなければならない“特別管理産業廃棄物”と呼ばれるものもあります。
4.廃棄物の区分・業務によって異なる「行政の許認可」
前項で解説したように、廃棄物はいくつかの区分に分かれているため、廃棄物を処理する際にはその区分によって異なる「行政による許認可」が必要となります。
加えて、許認可は業務区分によっても異なるもの。例えば、収集運搬を行う場合と、処分を行う場合にはそれぞれ別の許認可が必要です。
具体的に、廃棄物処理に関しては以下の6つの許認可が存在します。
・一般廃棄物の収集運搬業
・一般廃棄物の処分業
・普通の産業廃棄物の収集運搬業
・普通の産業廃棄物の処分業
・特別管理産業廃棄物の収集運搬業
・特別管理産業廃棄物の処分業
上記を見てもわかるように、廃棄物処理に関する許認可は一つだけではありません。廃棄物の区分や業務区分によって分かれています。
つまり、一般廃棄物の収集運搬業の許可を持っていたとしても、一般廃棄物の処分業や産業廃棄物の収集運搬業の許可を持っていなければ、一般廃棄物の処分業や産業廃棄物の収集運搬を行った場合には無許可営業となり廃棄物処理法で罰せられてしまうのです。
5.廃棄物処理法の問題点
ここまで廃棄物処理法について解説してきましたが、現在の廃棄物処理法には問題点もあります。
それは“排出者”に関して明確な定義が示されていないこと。2項で説明したように、廃棄物処理法では排出者の責任問われます。
しかし、法律の条項で排出者には具体的にどんな人物が該当するのか明記されていないため、“排出者責任は誰にあるのか?”といった問題に発展することもあります。
マニフェストの交付や行政の許認可については細かく定められているのに、罰則を受ける対象となる排出者の定義は曖昧なのです。
6.廃棄物処理法を守って、正しく廃棄物を処理しよう
記事内で解説したように、廃棄物処理法は生活環境の安全と公衆衛生の向上を目的とした法律。不法投棄や不適切な処理を未然に防ぐために定められた法律です。
マニフェストの交付や処理方法についてなど細かく規定が設けられていますが、これは衛生的な面でも、快適な生活を守るためにも必要なこと。例えば自宅の敷地内に廃棄物を不法投棄されたら衛生面や異臭などによって生活しづらくなってしまいますよね。
端的に言えば、現在の快適な生活は廃棄物処理法によって守られているといっても過言ではありません。
罰則を受けないためというのはもちろんのこと、自身や周囲の生活環境を守るためにも、廃棄物を処理する際にはキチンと廃棄物処理法に則った方法で行いましょう。
サービス
タグ
- リサイクル
- 環境
- 除菌
- 新型コロナウイルス
- 廃棄物回収
- 使い捨て
- 安心第一
- コンサルティング
- 閉店ごみ問題
- 実地トレーニング
- 有価買取
- 解体費用
- 廃材処理
- 整地
- 価格適正化
- 業者選定
- 低コスト
- 再資源化
- 現場管理
- 緊急
- 業者
- ストレッチフィルム
- ごみ袋
- 再生材ごみ袋
- 環境貢献
- 産業廃棄物
- コンテナBOX
- 2020TDM推進プロジェクト
- LLDPE
- 定期回収
- ルート回収
- 木パレット
- 夜間
- 飛散防止
- 廃棄物
- 輸送貨物事故品
- スプレー缶処理
- 穴あけ作業
- 閉店ごみ
- リニューアル粗大
- 緊急回収
- サーキュラーエコノミー
- ケミカルリサイクル
- マテリアルリサイクル
- サーマルリサイクル
- 輸入食品
- 食品廃棄
- 汚泥
- 建設系廃棄物
- 価格適
- 木くず処分
- 夜間回収
- 不良品
- 在庫品
- グッドデザイン賞
- SDGs
- 廃プラスチック
- 衣類
- 産廃回収
- 医療廃棄物
- バッカン
- 衣服廃棄
- アパレルごみ
- 繊維くず
- 洋服処分
- FUROSHIKI
- ごみ置場
- セメント袋
- がれき類
- レンタル倉庫
- 退去ごみ
- 原状復帰
- トラックターミナル
- Iot
- マニフェスト
- 廃棄物処理法
- 現状回復
- 業態変更
- アパレル
- コンビニごみ
- 機密情報
- 分別
- 食品ロス
- 特定有害産業廃棄物
この記事に関連するコラム
-
産業廃棄物2022.05.02
廃棄物の再委託が禁止されている理由とは?産業廃棄物のみ例外となる場合も!
廃棄物処理法において、廃棄物の再委託は例外を除いて原則禁止されているため注意が必要です。 ...
-
産業廃棄物2024.02.16
産業廃棄物を不法投棄するとどうなる?!罰則や対策について解説!
産業廃棄物の不法投棄は法律で禁止されています。 例え業者に処分を委託した場合でも、業者が不...
-
産業廃棄物2022.02.21
産業廃棄物の処理を業者に委託する際のポイント。産業廃棄物委託契約書作成時...
産業廃棄物は、排出した事業者が適正に処理する責任があります。たとえ業者に委託していても、その...
-
産業廃棄物2021.09.10
オフィス家具は“産業廃棄物”です。廃棄する際の注意点や業者選びのポイント...
「デスクやロッカーなどのオフィス家具って、どうやって廃棄すればいいの?」 「コロナ禍でオフ...
幅広いご相談に応じます!
- いつでも気軽に相談
- 写真で概算見積もり
- 見積り書もご用意!