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産業廃棄物 2023.10.20

産業廃棄物の1つ「汚泥」の種類や処分方法、業者選びの注意点を徹底解説!

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汚泥の「分別に困っている」「処分方法がわからない」 そんなお悩みを抱えている方へ、この記事では汚泥の種類や処分方法、業者選びの際に注意すべきポイントなどを解説します。 事業活動で汚泥を排出している事業者様は必見です!

1.汚泥とは?主な特徴・処分する際の注意点

汚泥とは、事業の過程で発生するドロドロとした泥状の物質のこと。

主に、工場の廃液処理過程や水処理場の処理過程などで排出されることが多いです。

廃棄物処理法により産業廃棄物の一種に分類されていて、取り扱いに注意して適切に処分しなければなりません。

産業廃棄物は一般廃棄物と異なり、処分する際に環境や人体に与える悪影響が大きいことから、適切に収集運搬・処分しないと罰金刑や懲役刑が科されます。

 

なお、汚泥は20種類ある産業廃棄物の中で最も排出量が多いのも大きな特徴です。

環境省が発表した処理状況によると、令和3年度に排出された汚泥はなんと162,676千t!

総排出量の内43.9%を占めており、最も高い排出割合となっています。

参照:令和4年度事業 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 令和3年度速報値(環境省)

 

 

2.有機性と無機性の違い

汚泥には、大きく分けて「有機性汚泥」と「無機性汚泥」の2種類あります。

 

<有機性汚泥>

主に、有機汚濁された排水を処理する施設(生産工場・下水処理場・動物の飼育場など)から発生する汚泥。

例:ビルピット汚泥(し尿を含むもの以外)/パルプ廃液から生じる汚泥/動植物性原料を使用する各種製造業の廃水処理後に生ずる汚泥…etc

 

<無機性汚泥>

主に砂や金属成分等を多く含む排水を処理する施設・設備(土木工事現場・金属工場など)から発生する汚泥。

例:赤泥/けい藻土かす/炭酸カルシウムかす/廃白土/浄水場の沈でん池より生ずる汚泥…etc

 

汚泥の種類によっては処理業者が取り扱えない場合もあるため、分別には注意しましょう。

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

【汚泥を排出している事業者は必見!】“有機性汚泥”と“無機性汚泥”の違い

 

 

3.建設発生土と建設汚泥は異なる

ちなみに、建設工事において発生する土砂や汚泥の扱いはそれぞれ異なるため注意が必要です。

 

建設工事において発生する土砂(建設発生土・残土)は産業廃棄物処理法の規定に該当しないため廃棄物として扱われませんが、建設汚泥はこの法律に則って処理しなければなりません。

 

建設汚泥とは、建設工事に伴い副次的に排出される廃棄物で、含水率が高く、粒子が微細な泥状のもの。

具体的には以下のように定義されています。

 

■標準仕様のダンプトラックに山積みできず、また、その上を人が歩けない状態

■コーン指数がおおむね 200kN/m2以下、または一軸圧縮強さがおおむね 50kN/m2以下

※積み込み時には上記の2点の定義に該当していなかったとしても、運搬中に状態が変化した場合には建設汚泥として扱わなくてはなりません。

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

判断基準が難しい産業廃棄物“建設汚泥”について解説!定義は?土砂との違いは?

 

 

4.汚泥の処分方法

廃棄物処理法にて定められている処分方法は次の通りです。

 

4-1.焼却

脱水・乾燥させてから焼却炉で燃やす方法。

減量化できるメリットがある一方、焼却の際に生じる二次廃棄物の処理方法を確認しておかなければなりません。

 

4-2.溶解

溶融温度以上で加熱することにより、減容化と含有成分の抽出・無害化を実現する方法。

溶融の際に発生した溶融スラグは、主に建設資材などとして活用されます。

 

4-3.セメント原料化

セメントの主原料に使われている粘度の代替原料として活用する方法。

汚泥や焼却時に生じる灰は、この粘度と成分が似ているとされています。

汚泥も灰も全てがリサイクルできるため、無駄がないエコな処理方法といえるでしょう。

 

4-4.埋め立て

脱水・乾燥させてから埋め立てる方法。

リサイクル・減量化できない場合に、無機性汚泥であれば対応できます。

ただし、最終処分場は年々利用状況が逼迫しているため、リサイクル・減量化できる可能性がある場合は、これ以外の処理方法を検討しなければなりません。

 

4-5.造粒固化

薬剤や機械を使用して汚泥を固めて再利用する方法。

例えば、建設汚泥や燃え殻などの無機汚泥を混ぜ合わせることで、骨材に再利用できます。

 

4-6.油水分離

油分と水分を分離させて処理する方法。

分離した油分は、再生重油としてリサイクルされるケースもあります。

 

4-7.堆肥化

脱水処理を行った有機汚泥を人為的に発酵させて肥料とする方法。

有機汚泥を発酵させれば、堆肥原料として再利用することが可能です。

 

4-8.メタン発酵

微生物に有機性汚泥を分解させて、メタンガスを発生させる方法。

有機汚泥をメタン発酵させれば、過程で生じたメタンガスを発電利用でき、残渣は堆肥原料として再利用できます。

 

5.自力で処分可能?業者に依頼する場合のポイントは?

不法投棄や敷地への埋め立ては法律で固く禁じられており、重い刑事罰を科される可能性があります。

しかし、実際は処分に関して法律で細かいルールが定められており自社で処分するのは大変なため、正しくスムーズに処分するためにも業者に依頼がおすすめです。

 

処理依頼できるのは都道府県に産業廃棄物の処理業、収集運搬業の届出を提出済で、知事の許可を得ている業者のみ。

許可は区分ごとに分かれているため、排出する際には「処理許可」を得ている業者に委託しなければなりません。

 

また、業者に処分を依頼する際には以下のポイントに注意が必要です。

 

■適切な安定化処理と土壌汚染対策法に基づいた品質基準をクリアできるか

■効率的に回収できるか

■相場に合った適切な見積もりか

■(汚泥の量が少ない場合)小ロットの依頼は可能か

 

汚泥を法律に則って正しく処分してくれるかはもちろん、回収方法や見積りなどもチェックしましょう。

 

 

6.産業廃棄物である汚泥の収集運搬・処分には要注意!

汚泥は判断基準が難しいだけでなく、工事現場や製造工場など様々な場面で発生します。

そのため、産業廃棄物の中でも最も排出量が多く、ひとくちに汚泥といっても性質によって処分方法は様々です。

中には資源として再利用できるケースもありますが、いずれにせよ汚泥は全て産業廃棄物に該当するため、処分する際は正しい知識のもとで対応しなければなりません。

 

リダクションテクノでは、この記事で紹介した汚泥のリサイクルや処分など廃棄物に関する幅広いご相談に対応。

対象エリア(東京・神奈川・千葉・埼玉)を絞っているため、効率的かつ小ロットの回収も可能です。

その他にも、処理コスト削減に関するご提案にも対応していますので、ぜひお気軽にご相談ください!

 

【こちらの記事も合わせてご覧ください】

汚泥はどうやって処理する?主な処理方法や業者に依頼する際のポイントなどを徹底解説

 

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