コラム
産業廃棄物 2020.06.16
廃棄物処理のよくある4つのトラブル事例。罰金や懲役刑に科されることも?!
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廃棄物の処理は業者に頼んだら終わり、というわけではありません。例えば委託業者が違法な方法で処理した場合には、後々依頼主である排出事業者も罰せられます。そのため、業者に依頼する場合であってもトラブルを未然に防ぐためにある程度、廃棄物処理の違反行為について知っておく必要があります。 そこで今回は、廃棄物処理のよくあるトラブル事例を4つご紹介します。これから産業廃棄物の処理を業者に依頼しようと考えている方は必見です!
1.分別トラブル
まずご紹介するのは、分別トラブル。廃棄物は種類によって処理方法が異なるため、処理する前の段階で適切に分別しなければなりません。廃棄物を適切に分別しないと、以下のようなリスクがあります。
・異物混入によるケガ
分別がキチンとされていないと、廃棄物の収集や処理に携わる担当者が負傷してしまう可能性があります。
例えば、廃プラスチック類として処理を依頼した中に引火性・爆発性のスプレーが混入していた場合には爆発してしまう恐れも。廃棄物の分別が不十分で火災や爆発などが発生した場合、依頼主である排出事業者の責任は免れません。
・余計な出費がかかる
「汚泥の処理を依頼したけれど、実際は金属くずなど他の種類の廃棄物が混入していた」
そんなときには、委託先から一度廃棄物が分別不十分として返品されてきます。その際に返品費用が加算され、当初想定していた金額よりも高くついてしまったなどというケースもあります。
余計な出費を増やさないためにも、廃棄物はキチンと分別しましょう。
・廃棄物処理法の罰則が適用される
故意で、種類・区分が異なる廃棄物が混入されたままの状態で処理を依頼した場合、不法投棄とみなされ廃棄物処理法違反の罰則を適用されることもあります。
不法投棄を行った対象者には、5年以下の懲役もしくは1,000万円の罰金、または両方を科されます。対象となるのは、業者と処理を依頼した排出事業者。法人に対しては3億円以下の罰金が科されます。
(廃棄物処理法第16条、第25条 第1項第14号、第32条第1項第1号)
2.無償での引き取り
「不要になった物を無償で引き取ります!」と謳っている業者には要注意。無償で廃棄物を引き取っている場合、廃棄物処理業の許可を得ていない業者である可能性が高いです。
そもそも廃棄物とは“占有者が自ら利用し、他人に有償で売却できないため不要になったもの”。排出者が産業廃棄物ではないと認識していたとしても、不要になった物の処理を無償で委託した場合、対象品は廃棄物となり業者に処理を委託したとして廃棄物処理法の対象となります。
廃棄物の処理は、許可を得ている業者しか行えません。そのため、委託業者が廃棄物処理業の許可を持っていなかった場合には、依頼主である排出事業者は無許可業者に処分を依頼したとして廃棄物処理法違反の罰則を適用されてしまいます。
許可証を持たない業者へ廃棄物処理を委託してしまった場合の罰則は、5年以下の懲役もしくは1,000万円の罰金、またはこの併科。罰則を受ける対象となるのは処理を依頼した排出事業者のみです。
(廃棄物処理法第12条第5項)
3.資源化・再利用できる廃棄物の処理方法
資源化・再利用できる廃棄物であったとしても、適切に処理することが求められます。
例えば「工事などに伴い木くずが発生したが、堆肥化し再利用されるため廃棄物ではないと判断し、堆肥製造業者に無償で引き取ってもらう」という行為は不適切な行為に当たります。
前項で説明した通り、廃棄物とは“占有者が自ら利用し、他人に有償で売却できないため不要になったもの”、です。そのため、堆肥化・資源化・再利用できるとしても無償で引き取りを行っている違法業者に依頼してしまうと、前項のように廃棄物処理法違反の罰則を適用されてしまう恐れがあります。
4.少量でも廃棄物を宅急便で送るのはNG
例え少量であったとしても、廃棄物を宅急便で処分業者に送るのはNG。廃棄物の運搬は産業廃棄物収集運搬の許可を持っている業者に依頼しなくてはなりません。
産業廃棄物には量に関する規定がないため、少量でも産業廃棄物処理基準に従って処分する必要があります。
収集に関しても、許可証を持たない業者へ廃棄物収集を委託してしまった場合は5年以下の懲役もしくは1,000万円の罰金、またはこの両方を科されます。罰則を受ける対象となるのは処理を依頼した排出事業者のみです。
(廃棄物処理法第12条第5項)
5.トラブルを未然に防ぐためには、業者選びにこだわることが大切!
記事内でご紹介したように、産業廃棄物の処理については守るべきルールがあります。
トラブルを未然に防ぐためには業者選びに気を付けなければなりません。
繰り返すようですが、廃棄物とは“占有者が自ら利用し、他人に有償で売却できないため不要になったもの”。例え一般的に廃棄物とされる物を排出者が「産業廃棄物ではないと認識していても、形式的に有価物となる場合であっても、定義に当てはまっていれば廃棄物とみなされ廃棄物処理法の適用を受けることになります。
許可証を持たない業者への委託は、トラブルの元。格安で依頼できても、後々無許可の業者に委託していたことが発覚し罰金や懲役刑に科されてしまうなんてこともあり得ます。
業者選びの際には、「無償で引き受けてくれるから」「安価だから」といった理由だけで決めるのではなく、許可証を持っているかどうかや、きちんと法に則って適切に処理してくれるかどうかにも着目しましょう。
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